【こんな映画でした】142.[偶然の旅行者]
2021年 3月 1日 (月曜) [偶然の旅行者](1988年 THE ACCIDENTAL TOURIST アメリカ 121分)
ローレンス・カスダン監督作品。[白いドレスの女](1981年)に続き二作目。その際の主演の二人、ウィリアム・ハート(メーコン)とキャスリーン・ターナー(サラ)が今作では夫婦役で。そして犬の調教師役の女性ミュリエルにジーナ・デイヴィス(撮影当時31歳)。ファニーフェイスだが、なかなか魅力的な女性であった。
結婚ということ、そして結婚生活を継続・持続していくこと。その実態の一つのケースを描いている。ともに暮らしていても、心はどこまでお互いに寄り添えているか。それが難しい。だから何かアクシデントがあったとき、それは深刻な問題として顕在化してくることになる。
前作に続きこれも作り方が上手いと思った。たまたまこの二作はウィリアム・ハートの映画ということで、ずいぶん前にDVDを買ってあったのだが、観る切っ掛けがなかった。たまたま続いて観ることができた。私もまさしく「偶然の旅行者」であるから。
差し詰め、ミュリエルがメーコンの人生に登場したのは、「思いがけない、突発的な」出来事であったろう。なかでもパリへ行く飛行機の中での出会いは「不測の」事態ということに。
大きくとらえるなら、私たちの人生において、その人生ものがこの「ACCIDENTAL TOURIST」を実演しているようなものだろう。その時々に「偶発的な」ことが起こり、それをそのつど解決しながら、あるいは折り合いを付けながら生きていくしかないのだから。
シーンで良かったのは、丁度中頃の56分からの5分あまり。メーコンがミュリエルから明日の夕食に誘われていたのを断りに家へ行ったシーン。少しドアの外で話し、そっと部屋の中へ導き、そのメーコンの気持ちを抱きとめるようにハグするシーンだ。そしてパリでのラストシーン。見事だ。
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なお特典映像で、未公開シーンを観ると、やはりまずは脚本通りにか、たくさんのカットを撮影していた。そして編集でカットしたり、同じセリフでも場所などのシチュエーションを変えたりしているのが分かる。文章でもそうだが、初めにたくさん書いても、あとから推敲して短く締まった文章にする必要がある。映画もそのようだ。
カットされたシーンには、メーコンがミュリエルを母親に紹介するシーンとか、ミュリエルとの話の中で1974年の映画[タワーリング・インフェルノ]が出てくるシーンがあった。とまれ良い映画だった。
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2021年 2月27日 (土曜) [白いドレスの女](1981年 BODY HEAT 113分 アメリカ)
ローレンス・カスダン監督作品。初めて。ウィリアム・ハートの映画ということで。悪女(マティ)役はキャスリーン・ターナー(撮影当時26歳)。なかなか上手い作り方。特にラストシーンは大したものだ。青空の下、裸身を曝すマティからチルトアップ。青空を映し出してエンドロール。
原題は「体の火照り」とか、「体熱」とかの意味だろう。改めて調べてみると「体温」とあった。邦題はまずまず良いのでは。