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高齢者の白血病

今年の初めから骨髄異形成症候群を患っていた実母が急性骨髄性白血病に移行した。

進行を遅らせるというビターザ治療も結局数回で終わり、これからは抗がん剤と飲み薬、輸血などを併用した治療になるという。

同意書を含めた説明書をもらった。いろんなものがまた甦る。
主人の入院中も、いっぱい書類をもらって、いっぱいサインした。

今回は本人が元気なので(病気だけど)たいていの同意書は本人に書いてもらう事にした。
家族が書くのは、『無理な延命治療はしません』といった内容のものだけだったけど、この点に関して同意書があるのはありがたかった。
『どうしますか?』と訊かれるより、『これで良いですか?』と言われた方が精神的負担は少ない。

高齢者の白血病は今増えているらしい。
骨髄移植や強い抗がん剤を使用出来ない高齢者の為に、1〜2年前に認可されたばかりの治療薬があるというので、弱めの抗がん剤と並行して、その薬を使うことになった。


母は、「死にたくない。長生きしたいから出来る事は何でもやる」と言った。

それを否定するつもりは全く無いけれど、私の中ではモヤモヤが膨らんでいった。

主人も、生きたかっただろうな。
死にたくなんて、なかったよな。
希望になるような薬のひとつすら無かった。

母に、長生きして欲しいと思うより、そっちの思いの方が先走る。

「仕方がないよ」と娘に言われた。

「私だって友達のお父さんとかが普通にまだ現役で仕事してる話とか聞くと
 『あぁ…』って思うし、ばあちゃんに『長生きしたい』って言われたら
 『もうしてるやん』って思うもん」

何かにつけて戻ってくるこの引っ掛かりは、きっと残り続けるんだろうなと思う。

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