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フィルム写真

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フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。
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#植物

LeicaM4で撮るモノクロの花

長きにわたり花の仕事をして、散々花の写真を撮ってきました。 花は、たとえ切り花となったとしても生き物なので、段々枯れて行きます。 開花前の蕾の初々しさ、誇らしげに咲く満開、花弁が落ちてゆく物悲しさ、その瞬間、瞬間の美しさを写真で留めておきたいと私は思っています。 今では、デジタルカメラもレンズも、写真アプリも進化して、誰でも素敵な写真に仕上げられるようになっています。 4年ほど前から、私は『その日その時その瞬間』という写真のノンフィクションが何となく薄れてしまうような気がし

夏の百合 その場所で咲くこと

先週のお稽古で使った向日葵は、やはりこの猛暑であっという間に枯れてしまった。いけられた花は、夏は特に長持ちしない。 これまで季節がなんであれ、花をいけることを当たり前に続けてきた。 しかしこの数年、植物の自然環境下での生き生きとした姿、在り方を注意して見つめるようになり、その面白さに惹かれるようになった。 最近は、生産された花をデザインしていけることが少し辛くなることがある。 ただ、美しいという花よりも、それぞれの環境下での『姿や在り方』を見つめる方が愉しい。 山百合。

シュールな黒い花

私は、白い花が好きだ。 年間を通じて多く撮影している。 特に花弁が透けるような白い花。 それは、逆光で撮るとその質感がよく見えてくる。 堅そうな花弁なのか、今にも壊れそうな花弁なのか。 触れてみたいと思わせる。 では、黒い花。 厳密に言うと真っ黒な花はない。 大体が黒に近い濃い茶色か濃い紫。 撮影すると大抵黒潰れする。古いフィルムカメラだと特に調整不能。 輪郭しか残らず、なんだかわからなくなる。 でもあえて撮ったままにしておく。 ちょっとシュールで、惹かれてしまうから。