セカンドハウス プロローグ 『イサムの家』
人生には、いくつかの大きな転換期が訪れる。
若い頃は、夢や希望に向かって飛び込み台に上り、躊躇なく先の見えない深い水の底を目刺して飛び込んでゆくものだ。
半世紀以上歳を重ねるとこれまでの経験からその怖さや痛みも想像でき、それが逆に『あだ』となり、熟慮を重ねた上に踏みとどまることが多くなる。何らかしらの大きな『きっかけ』がないと動けないものだ。
昨年の父の死を目の当たりにして、健康寿命を考えるようになった。
『あとどれくらい何ができるか、やり残したことはないか。。。』
植