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花譜

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四季の花や植物との出会い。古道具と花、写真で綴る短いエッセイ。
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#夏

秋のブーケ 私の花仕事

私が、もうかれこれ13年もの間、担当している花の仕事がある。 花の通販サイト『花問屋アソシエ』さんでの『花レシピ』の製作と撮影。『うきうき花レシピ』という、気分も揚る名前をいただいている。 毎月一回、季節の花の紹介とそれを使った作品を製作し、撮影する。 事前にデザインを決めて、花材を発注。 当日は丸一日かけて8作品程度製作しながら工程を撮影していく。 今年からは動画撮影も加わり、どうお見せしたらいいいか工夫しながら、スタッフ皆で試行錯誤しながら進めている。 特に、プロのカメ

夏の蝶

この夏、出逢った蝶たち。 羽がバサバサになり、地面に横たわっている黒いアゲハチョウにアリが寄ってきた。 初めから無かったのか、それとも事故ではずれてしまったのか。 3枚しかない羽で森に不器用にひらひらと飛んでいた青いアゲハチョウ。 力尽きて蹲っていたオオミズアオ。 日中この場所では危険と思い、せめて草場へと横から風を送ると、ふわっと浮き上がり羽ばたいて、大木に止まった。 だが、程なくしてカラスに拐われた。 彼らは美しく野山を謳歌した時間のことを覚えているのだろうか。

盛夏の花仕事

梅雨末期の蒸し暑い昨日は、毎月恒例の花の仕事でした。 花の通販サイトさんの販売促進のお仕事で、『花レシピ』の製作撮影です。 お花の先生や趣味愛好家様向けに、季節の生花を取り合わせてデザインをご提案するという仕事です。 お陰様でもうかれこれ15年を越えて続けさせていただいています。 季節ごとの花はほぼ毎年同じなので、内容が同じならないように毎年少しづつ変化させていくのが難しいところ。 また事前にデザインを考え発注しても、いざ当日現場で長さや色合いなどイメージと異なる場合もあり

酷暑の花の愉しみ

一体いつまで続くのだろう。 30℃少し超くらいならそんなに暑くないと感じる位、今年は極めて暑い夏。そして暑さよりも湿度。鉢植えにキノコまで生えていた。 少しだけ陽が短く傾いてきたことことが一途の望み。 本当に早くやり過ごしたいもの。 本日はそんな酷暑の今年、植物たちとどう暮らしているかのご報告。 まず、バルコニーは、例年通り7月半ばから遮光カーテンを取り付けた。 お陰で、日陰を好む植物とエケベリアたちはなんとか被害を免れた。 その他の丈夫そうな多肉植物は、スパルタ方式

儚い夏の花 芙蓉、木槿、葵

連日の猛暑の後、ついにお盆に台風。 夏が嫌いで辛い毎日だったが、クリスマスの頃の冬の空気を想像しながら、きっといつかは終わると信じて2週間過ごしてきた。 こんな夏の中にも元気な花はある。 英名でハイビスカスに属する芙蓉、木槿、葵だ。 花型と花芯の形がそっくりなので、葉を見ないとわかりにくい。 また、朝咲いて夕方には閉じる一日花。露草も一日花。 過酷な日差しにも負けずに咲いた分、夏の命は儚いもかもしれない。 まずは、酔芙蓉。 葉が木槿に比べて大きく、手を広げたよう。 この

涼しげな夏模様

暑くなってきたから、先週から今週にかけて、ファブリックをリネンに替えたりと、少しだけインテリア小物替えをしている。この暑い中、家具を動かすなど、何か大きく変化させる元気はない。 日本の模様は、特に季節感ある模様があり、それを少しだけ生活に取り入れると目から涼しく過ごせると思う。 網目に金魚模様の小皿。ユーモアのある模様。 これはあまりに可愛らしくて、印判の小皿を集めるきっかけとなったもの。 水羊羹やふ饅頭の夏菓子の方が合うかもしれないが、ご近所の和菓子屋さんで『あんドーナ