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花譜

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四季の花や植物との出会い。古道具と花、写真で綴る短いエッセイ。
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2022年4月の記事一覧

雨上がりの緑の庭から

今日は、暦の上では穀雨。 雨は、夏に向かってすべての植物の恵みとなる。 葉桜の木の下では、あちこちでライトグリーンの新しい葉が広がり始め、この時期の雨上がりの庭は、なんと美しいことか。 白やグリーンの初夏の小さな花も咲き始めた。 季節は、刻々と進んでいる。 好きな季節の幕開けだ。 少しだけ庭からいただいて、もう種ができてしまった春のクリスマスローズと薬瓶にいけた。

浦島草

浦島さんは、小船に乗って釣り糸を垂れたとさ。

菜種の頃

あっという間に葉桜から楓も緑の葉を広げる季節になりました。 菜の花ももう菜種になる頃。 さて、こちらの写真は、数年前に撮った写真で、とある企業様の公式SNSで昨年春ご紹介いただいた写真です。 自分でも好きな写真ではありますが、今振り返ってみると、その頃は少し脚色した構図ですね。 そして、今年撮影した菜の花。 霞んだ水平線は皆様ご想像ください(笑)。 よりナチュラルな写真が自分の中でしっくりくるようになりました。 最近、SNSのアカウントで『だいぶ投稿の回数を減らしま

葉桜

桜がまだ蕾だった2週間ほど前、五葉木通(ゴヨウアケビ)がほぼ車しか通らない街路樹の桜の枝に絡んでいたのを思い出し、そろそろ咲く頃かと同じ道を辿ってみた。 木通の花は蔓に小さな葡萄の房のようにたわわに花をつけていた。 そして桜は葉桜。 五葉木通の複雑に絡み合った蔓を丁寧に解きながら少々いただいて、帰路につこうとしたのだが、茶色の葉を出した葉桜がとても気になって引き返した。 前回の記事で『桜は近年いけていない』と書いてしまったが、その時どうしても葉桜を写真に撮っておきたい衝

モノクロの桜

桜はそれだけ誰にとっても忘れられない花。 特に日本人にとって、この季節の過去の記憶と結びつくことが多いからだと思う。 私は、歴史ある小学校の校庭で、桜が散り始める4月、思いっきり花吹雪の下で漕いだブランコのことが今も忘れられない。 そのブランコは、休み時間には走って行かなくてはいけない程、人気だった。 あれ以上、素敵な桜には多分もう会えないと思う。 大人になった今では、あの頃の透明な気持ちは何処かへ忘れ、毎年段々複雑になる気持ちを抱えて写真を撮っている自分がいる。 先日

結局、桜は上手にいけられない

今や桜満開の季節。 SNSでも桜の画像が溢れている。 仕事柄、桜の枝は1月ごろから手に入るので、長年いけているが、未だに納得のいく形で収まったことがない。 仕事で残った枝は、いつもざっくりこうなっている。 いよいよ、外の桜が満開になってくる頃には、部屋にはもう必要ないのだ。 外の桜、特に風雪を浴びた桜の古い枝の動きや花の付け方を見るにつけ、もうこれにはかなわない、と思うのだ。 『樹木の持つ力』というべきなのか、上手くいえないが、桜や椿はその力が強いので、気をてらってい

桜にはグレーの空

桜には、グレーの空がよく似合う。