クリスマスイヴに一人ぼっち

クリスマスイヴは
夫と息子と３人でレストランにディナーに行きました。

観光客も多いことから、
ほとんどのレストランやバーは開いていて、
しかも、
それほど冷え込まないので、外席も賑わうフロリダ。

クリスマスのイルミネーションがほどほどに飾られてる
こじんまりした近所の通りの様子は
インスタのストーリーズでもちょっと載せました。

人気のレストランに着いて、
バルコニー席の準備ができるまで、外のソファーに座って
少し待っていたのですが、

かなり高齢のお婆さんが一人で座ってたんです。

脇にベビーカーを置いていて、
中からワンコのぬいぐるみが顔を出していて、

膝の上にも犬のぬいぐるみをかかえて、
しかも首輪がついている。

あれ？この人は大丈夫なのかな？と
一瞬思ってしまいました。

アメリカなので、
こんなときには声を掛け合ったりするものの、
何と言ったらいいのか分からなくて黙ってたら、

今晩はいいお天気よね？
どこから来たの？地元の人？と聞いてきたので、
ちょっと会話を始めたんです。

よく見ると、
空になったカクテルグラスが２個置いてあり、
一人で飲んでいたようでした。

家族はミシガン州にいて、
今年のクリスマスはみんな会いに来れないから、
私は今夜は、ワンコと一緒にここで過ごしてるの。

と言うので、
ああ、そうだったのか。。と一瞬胸がキュンとしました。

彼女は、たぶん９０代。

愛犬たちもすでに亡くなってしまったのかもしれず、
同年代の友達だって、もういないのかも。

きっと、近所の超高級コンドに一人暮らしなんでしょうが、
一人で自宅で過ごすなんてイヤだから、
こうして賑やかな通りに出てきて、
ひとめなど気にせずカクテルを飲みながら、

ーブルの準備を待つため
傍に座った人とおしゃべりしてるのかなと思いました。

私たちが食事を終えると、
彼女は目を閉じて、眠っちゃっていた様子でした。

洒落たファイヤーピットのテーブルには赤々と火が燃えていて、
クリスマスイルミネーションの下で、
車や人々が、ちょうどいい込み具合でざわめいていて。

死ぬほど孤独に見える光景なんだけど、
彼女の在り方は素敵にも見えたし、

誰も彼女に気を留めないけど、
追い出すこともせず、なんだか優しい世界でした。

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