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蛍とはいつか見たあの時の夢

知らぬ方から、私の俳人名宛にはがきが届いていた。自宅の近くに蛍を見に行ったことと、その時に詠んだ句が3句書いてある。「前略」で始まっており、なぜ私にはがきをくださったのかという理由はない。

私より少し年配の男性と思われる筆跡。俳句を分かち書きしていないところや、署名に下の名が書いてあるところを見ると、心得のある人だろう。

住所をGoogleストリートビューで見ると、確かにその名の表札のかかった一軒家があり、実在の人物と思われるのだった。

何の知らせかはわからないが、終活など考える年になったのなら、20代の頃から実直に続けてきて未だに何の実も結んでいない俳句を、そろそろ本気で始めてはどうだと言われた気がした。

蛍とはいつか見たあの時の夢 サラ

Photo by Tengyart on Unsplash

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