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うさぎとおばけのマグカップ(小説)

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「そこ、人が死んだのね。出るの。幽霊が」 「了解です。それでいいです。そこ住みます」 築五年、南東向き角部屋、バストイレ別、リビング10畳、収納たっぷり。 これで一ヵ月五千円! …
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#創作大賞2024

うさぎとおばけのマグカップ 第1話

【あらすじ】  寮を追い出された俺。安アパートを探していた時に激安事故物件が。そこに住む…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第2話

 引っ越しはあっさりと終わった。そりゃそうだ、もともと荷物なんかほとんど無い。場所食うよ…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第4話

 家電屋にホームセンター、ドラッグストア、近所のスーパー、米屋とあちこち回って疲れ果てて…

如月芳美
2か月前
5

うさぎとおばけのマグカップ 第5話

 風呂から上がって、コンビニで買って来た弁当を電子レンジに放り込む。その間に冷蔵庫からビ…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第6話

 今朝はぶっ飛ぶほど心地の良い目覚めだ。  だってさ、ご飯だぞ。ご飯の炊ける匂いってわか…

如月芳美
2か月前
7

うさぎとおばけのマグカップ 第7話

 引っ越しして一週間経った。不動産屋のオヤジが言ってた最初の難関クリアだ。あとはどれだけ…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第8話

 六月に入った。この部屋の入居日数の記録を毎日更新している。  不動産屋のオヤジはえらい喜んでいた。そりゃあそうだろう、今までの入居者は入居してもすぐに出て行ってしまう。どんなに安くしても一週間ともたなかったのだから。  まあ、俺の場合はたまたま幽霊とウマが合ったというか、幽霊にも居場所を許可したというか……うーん、むしろこれはシェアハウス? そんな感じのノリになってるというか。  何よりも良かったのは、『相手が幽霊だった』という事だ。  だってアレだよ、フツーに考えたらさ、

うさぎとおばけのマグカップ 第9話

 信じられん。いきなり職場で異動になった。  理由は簡単だ。一人どうしても実家の都合で仕…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第10話

 たったの二日だ。俺が家を空けた日数。  なのになんだかものすごく懐かしいってどーゆーこ…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第11話

『想ちゃん、まだ熱下がんない?』 「あー、うん。薬飲んだわけでもないからな。自然治癒だと…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第12話

『想ちゃん、どう? 少しは具合良くなった?』  と優しく声をかけてくれるのは、相変わらず…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第13話

 来たよ。ショッピングモール。  いや、俺はホームセンターとかで良かったんだよ。だけどさ…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第14話

 翌朝、俺が気がかりな夢からふと目を覚ますと、自分がベッドで巨大な毒虫に変わっていること…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第15話

 それからの幽霊は、幽霊らしからぬというか、生きてる人間よりも積極的に活動し始めたと思う。  会話ができる相手がいるという喜びに加え、本を読んだり、ご飯を作ったり、そういう日常的な事を楽しむ余裕が出て来たらしいのだ。  そのお陰で暇さえあれば掃除や洗濯もしてくれるようになったんで、今まで百パーセント俺がやってた家事も半分くらいに減った。  かと言って全部家事を押し付けちゃうのはやっぱりなんか違う気がしたんで、できる限り自分でやるようにして、忙しすぎて手が回らない時に幽霊にやっ