マガジンのカバー画像

うさぎとおばけのマグカップ(小説)

41
「そこ、人が死んだのね。出るの。幽霊が」 「了解です。それでいいです。そこ住みます」 築五年、南東向き角部屋、バストイレ別、リビング10畳、収納たっぷり。 これで一ヵ月五千円! …
運営しているクリエイター

記事一覧

うさぎとおばけのマグカップ 第1話

【あらすじ】  寮を追い出された俺。安アパートを探していた時に激安事故物件が。そこに住む…

如月芳美
3週間前
10

うさぎとおばけのマグカップ 第2話

 引っ越しはあっさりと終わった。そりゃそうだ、もともと荷物なんかほとんど無い。場所食うよ…

如月芳美
3週間前
9

うさぎとおばけのマグカップ 第3話

 やめろ……降りてくれ……。  叫んでも叫んでも声が出ない。巨大な岩が俺の上に乗っている…

如月芳美
3週間前
9

うさぎとおばけのマグカップ 第4話

 家電屋にホームセンター、ドラッグストア、近所のスーパー、米屋とあちこち回って疲れ果てて…

如月芳美
3週間前
4

うさぎとおばけのマグカップ 第5話

 風呂から上がって、コンビニで買って来た弁当を電子レンジに放り込む。その間に冷蔵庫からビ…

如月芳美
3週間前
5

うさぎとおばけのマグカップ 第6話

 今朝はぶっ飛ぶほど心地の良い目覚めだ。  だってさ、ご飯だぞ。ご飯の炊ける匂いってわか…

如月芳美
3週間前
6

うさぎとおばけのマグカップ 第7話

 引っ越しして一週間経った。不動産屋のオヤジが言ってた最初の難関クリアだ。あとはどれだけこの記録を伸ばしていけるかというところだが、俺は既に一年分の家賃を前払いしている。今から別の部屋に引っ越すという選択肢は残されていない。  とりあえずあのやたらとフレンドリーな幽霊とはうまくやってる。まあ、共同生活なんてもんはお互いが譲り合って初めて成り立つものだから、そこは俺もあまり幽霊の個人的な事には介入しないように気を付けてはいるんだけど。  むしろ幽霊の方にもう少し気を使って欲しい

うさぎとおばけのマグカップ 第8話

 六月に入った。この部屋の入居日数の記録を毎日更新している。  不動産屋のオヤジはえらい…

如月芳美
3週間前
5

うさぎとおばけのマグカップ 第9話

 信じられん。いきなり職場で異動になった。  理由は簡単だ。一人どうしても実家の都合で仕…

如月芳美
3週間前
6

うさぎとおばけのマグカップ 第10話

 たったの二日だ。俺が家を空けた日数。  なのになんだかものすごく懐かしいってどーゆーこ…

如月芳美
3週間前
2

うさぎとおばけのマグカップ 第11話

『想ちゃん、まだ熱下がんない?』 「あー、うん。薬飲んだわけでもないからな。自然治癒だと…

如月芳美
3週間前
3

うさぎとおばけのマグカップ 第12話

『想ちゃん、どう? 少しは具合良くなった?』  と優しく声をかけてくれるのは、相変わらず…

如月芳美
3週間前
4

うさぎとおばけのマグカップ 第13話

 来たよ。ショッピングモール。  いや、俺はホームセンターとかで良かったんだよ。だけどさ…

如月芳美
3週間前
4

うさぎとおばけのマグカップ 第14話

 翌朝、俺が気がかりな夢からふと目を覚ますと、自分がベッドで巨大な毒虫に変わっていることに気がついたりするわけがねえだろう!  なんだかなぁ、幽霊に感化されて読書するようになっちゃったもんだから、脳内ボケとセルフツッコミが世界名作劇場になってるよ。  そうじゃなくて、俺が目を覚ますと、お味噌汁のいい匂いがしてたんだよ。すげー幸せなんだよ。 『あ、おはよー想ちゃん。ご飯できたよー』 「ねえ、これ一体何のサービス?」 『だから気が向いた時にご飯作ってあげるって言ったじゃん。今日は