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うさぎとおばけのマグカップ(小説)

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「そこ、人が死んだのね。出るの。幽霊が」 「了解です。それでいいです。そこ住みます」 築五年、南東向き角部屋、バストイレ別、リビング10畳、収納たっぷり。 これで一ヵ月五千円! …
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#イベント

うさぎとおばけのマグカップ 第16話

 お盆も十六日を過ぎたら、幽霊はとっとと戻って来た。  本来ならあの世へ帰るのだろう。だ…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第17話

『超絶簡単じゃん。予算内どころかまるっきり浮くよ』 「えっ? マジで?」  幽霊に相談して…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第21話

 十月に入り、総合企画部企画課はいよいよ忙しくなってきた。  田島さんの方のゆるキャラは…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第25話

 あっという間に四月だ。準備に準備を重ね、田島さんと駆けずり回って企画した春イベント『ク…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第27話

 幽霊はあれから一切仕事のことには首を突っ込んでこなくなったけど、既に夏のマーチングフェ…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第28話

『想ちゃん、今日も遅いの?』 「うん、明日だからね、マーチングフェスティバル」 『最近いつ…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第29話

 結論から言うと、マーチングフェスティバルは大成功だった。  何が良かったって、ボランティアの人たちがバラバラじゃなくて団体さんで来てくれていたことだった。  もちろん個人登録の人も大勢いたんだけど、最古杵シルバー会という老人会がメインになって、ボランティアさんたちをまとめてくれたのが何よりも助かった。  なにしろ俺はパレードの方に参加するボランティアさんに指示を出しつつ、鎖猪瓦公園体育館に待機する田島さんと連絡を取り合い、写真もたくさん撮らなくてはならなかったのだ。  それ

うさぎとおばけのマグカップ 第30話

「あれは玲子ちゃんに頼まれたんです」  俺は鯛子さんの言葉にポカンとアホみたいに口を開け…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第35話

 鯛子さんが来たその日の晩に、幽霊は帰って来た。鯛子さんのスマホに自動書記ならぬ自動入力…

如月芳美
2か月前
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うさぎとおばけのマグカップ 第36話

 菊花展の方は秋谷夫妻のお陰で驚くほどスムーズに事が進んだ。  徳積寺は二つ返事で場所を…

如月芳美
2か月前
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