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双極性障害 辛い五つのこと

***今回は双極性障害で辛いこと五つを書くよ。
特に一番目の「薬で太る」は、断薬の最も多い原因になってる。
とかく世の中はスレンダーであることが正義みたいな風潮があるよね。
心ない軽率な一言が、長年取り組んできた治療の努力を台無しにしてしまうことがある。「知らなかった」じゃ済まないんだ。


①双極性障害の薬は太りやすいので断薬してしまうことがある

双極性障害の治療に用いられる薬には、体重増加を引き起こす可能性があるものが含まれています。これは、食欲の増加や代謝の変化などによるもので、特に気分安定薬抗精神病薬にその傾向が見られることがあります。

例えば、オランザピンクエチアピンなどの抗精神病薬は、太りやすいとされており、これらの薬を服用している患者さんの中には、体重増加を理由に断薬を考える方もいらっしゃいます。
しかし、断薬は双極性障害の症状を悪化させるリスクがあるため、医師と相談の上で慎重に行う必要があります。

断薬を考える場合は、寛解期に入っているかどうか、症状の重さ、再発のリスク、個々の健康状態など、多くの要因を考慮する必要があります。
また、非薬物治療の徹底、生活リズムの管理、ストレス管理など、薬物治療以外の方法で症状を管理することも重要です。

体重増加に対する懸念がある場合は、医師と相談して、副作用の少ない別の薬への変更や、食事と運動による体重管理など、他の対策を検討することが推奨されます。
患者さんのQOL(生活の質)を維持しつつ、適切な治療を続けることが大切です。もし断薬を考えている場合は、必ず専門の医師と相談してください。


②双極性障害はうつ病の二倍眠い、四割の人が日中眠い

双極性障害において、日中の過度な眠気や疲労感を訴える患者さんは少なくありません。
これは、双極性障害のうつ状態において特に顕著で、うつ病の患者さんよりもさらに強い眠気を感じることがあります。
実際に、双極性障害の患者さんの約40%が日中の過度な眠気を経験しているとの報告があります。

この症状は、夜間の睡眠の質の低下、治療薬の副作用、または双極性障害自体の生物学的な影響によるものかもしれません。
特に、気分安定薬抗精神病薬などの一部の薬は、眠気を引き起こす副作用があることが知られています。

日中の眠気が日常生活に影響を与える場合は、医師に相談して、睡眠衛生の改善、適切な運動、食生活の見直し、ストレス管理などの非薬物治療を試みることが重要です。
また、薬物治療が原因である場合は、副作用の少ない薬への変更や用量の調整を検討することも一つの方法です。

双極性障害の治療は、患者さん一人ひとりの症状や生活状況に合わせてカスタマイズする必要があります。
日中の眠気に悩まされている場合は、専門の医師と十分に話し合い、最適な治療計画を立てることが大切です。
患者さんのQOL(生活の質)を維持しながら、効果的な治療を目指しましょう。


***日中眠い、朝起きられない、眠れないってのが、入れかわる場合もあるよ。睡眠って大事だから、安定しないと再発リスクが跳ね上がってしまう。睡眠状態については記録しておいて、毎回主治医に伝えたほうがいいね。


③双極性障害の人は躁のあとに後悔してしまう

双極性障害の方が躁状態の後に後悔を感じることは確かに一般的です。
躁状態では、判断力が低下し、衝動的な行動やリスクの高い決断をしてしまうことがあります。その結果、躁状態が治まった後に、その行動の結果に対する後悔や罪悪感を感じることがあります。

このような感情は、双極性障害の回復過程での自己認識や自己受容の重要な部分です。
治療の一環として、認知行動療法(CBT)や対人関係療法(IPT)などの心理療法が有効であるとされています。
これらの療法は、患者さんが自分の行動を振り返り、将来的により良い選択をするための戦略を学ぶのに役立ちます。

また、躁状態の後の後悔を減らすためには、躁状態に入る前に予防策を講じることも重要です。
例えば、信頼できる家族や友人にサポートを求める、金銭管理を他人に任せる、リスクの高い活動を避けるなどの対策が考えられます。

双極性障害の治療は長期にわたるものであり、患者さん自身の理解と自己管理が非常に重要です。
医師やカウンセラーとの継続的な対話を通じて、個々の状況に合った最適な治療法を見つけることが大切です。
もし後悔の感情に苦しんでいる場合は、専門の医師や心理療法士と相談することをお勧めします。患者さんのQOL(生活の質)を維持しながら、健康的な生活を送るためのサポートを受けることができます。


***借金をしたり、まわりとトラブルを起こしたり。病状が悪い時に起こしてしまったことなんだけど、喧嘩した相手にしてみたら「なんだあいつ」ってなるよね。借金の返済も大変だ。
経済的、社会的に困難な状況になるってことは、その後の治療にも弊害が出てくる。
躁になりかけてるサインを見逃さないことが大事だし、家族がその兆候をよく観察してくれていると安心できると思う。


④双極性障害の人は自分の躁状態に気づきにくい

双極性障害の方が躁状態に気づかないことは確かによくあります。
躁状態では、エネルギーレベルが高まり、楽観的な気分や過剰な自信を感じるため、本人はその状態を正常または望ましいものと認識することが多いです。その結果、躁状態での行動が問題を引き起こしているとは自覚しづらくなります。

躁状態にある人は、通常よりも活動的で社交的になり、大胆な計画を立てたり、衝動的な買い物をしたり、リスクの高い行動に出ることがあります。
しかし、これらの行動が後になって問題を引き起こす可能性があるにもかかわらず、その時点ではリスクを感じにくいのです。

家族や友人、医療提供者が躁状態の兆候を早期に認識し、適切な介入を行うことが重要です。躁状態の早期発見と治療は、不適切な行動やその後の後悔を防ぐために役立ちます。

双極性障害の治療には、薬物療法だけでなく、教育プログラムや心理社会的支援も含まれます。これらは患者さんが自身の病状を理解し、症状の管理を学ぶのに役立ちます。
また、患者さんが自分の感情や行動についてより良く理解し、躁状態の兆候を自覚できるようになることも目指されています。

もし双極性障害の症状について心配がある場合は、専門の医師に相談することをお勧めします。医師は症状の評価と適切な治療計画の提供を行うことができます。
患者さんのQOL(生活の質)を維持しながら、健康的な生活を送るためのサポートを受けることができます。


***うつ状態には敏感なんだけど、躁状態には無自覚ってことが多いんだよね。なので家族や周りの人の理解が必要。記録をつけておいて、主治医に今の状態を伝えることも大事になってくるね。
双極性障害に抗うつ剤は使わないってのは基本。どうしても他の薬が合わない時に主治医が判断して処方することもあるだろうけど、基本は使わない。


⑤双極性障害の人は性格に問題があると勘違いされやすい

双極性障害の方が性格に問題があると誤解されることは、残念ながらよくあることです。
双極性障害は、気分の波が特徴的な精神疾患であり、躁状態やうつ状態といった極端な気分変動を経験します。
これらの症状は、時に性格や個性と混同されがちですが、実際には治療が必要な医学的な状態です。

躁状態では、過剰な自信、衝動性、大きな計画を立てる傾向が見られ、うつ状態では、エネルギーの低下、興味喪失、自己評価の低さが見られます。
これらの症状は、性格の特徴ではなく、双極性障害の一部として理解されるべきです。

双極性障害に対する社会的な誤解やスティグマは、患者さんが適切な支援や治療を受けることを妨げる可能性があります。そのため、双極性障害についての正しい理解を広めることが重要です。
患者さんやその家族、友人、職場の人々が疾患について学び、適切な対応をすることで、患者さんのQOL(生活の質)の向上につながります。

もし双極性障害についての誤解がある場合は、専門の医師やカウンセラーとの対話を通じて、正しい情報を得ることが大切です。
また、患者さん自身が自己啓発を行い、周囲の人々に病状を説明することも、誤解を解消する一助となります。患者さんが健康的な生活を送るためには、理解と支援が不可欠です。


***躁状態の時に「怒りっぽい人」「自分勝手な人」ってレッテルを貼られちゃうことがあるよ。病気に知識のない人、理解のない人と、躁状態の時に会うのは避けたいところだね。
***躁状態の時のことを知ってる人が、うつ状態を見ちゃうと「前は大きなこと言ってたくせに、今は怠けてるじゃん」って思ってしまう。周りの理解はほんと必要だし、症状が悪化しないためにも啓発って大事だね。


***今回はⅠ型もⅡ型もまとめて書いたけど、程度の差はあれ似てるよね。今はすぐに検索できちゃう時代だから、双極性障害って聞いたら検索して知識を深めておくといいかもしれない。
病気の人にしてみたら、症状を性格のせいにされるのは辛すぎるしね。
***「しんどい」「辛い」ってのは主観的なものだから、健常者であっても辛い時はいっぱいあると思う。ただ、こころに余裕のない時に軽口は叩かないほうがいいと思う。これは脅しでもなんでもなく、こころの病がある人は、自傷行為や自殺へのハードルが低いんだ。
***空々しい励ましや同情はいらない。ただ知識を持ってほしい。本人と病気はイコールじゃない。病気は本人にくっついてるだけ。そこを理解してほしいと思ってるよ。


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