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東京都日野市「雑飲屋 ふじ」のポテトサラダと餃子とラーメン

ビールのあてになぜポテサラを選んでしまうのか。
我ながら不思議に思うことが多々ありまして。

同じポテトならフライの方がビールに合うだろ。
舌にまとわりつくマヨネーズは酒の味を濁すだろう。
しかもサラダとはいえカロリーも油脂分も高かろう。
そもそももろきゅうや冷奴の方が健康には良かろう。

といった疑問と格闘し、葛藤に身悶えしてしまうわけです。

町の中華ならなおさらです。
中華であえてポテサラを選ぶ意味は何なのか。
振り返ってもそこにはただ風が吹いているだけです。

結局、好きだから。
うまいからという身も蓋もない理由に行き着くわけですが。

東京都日野市、JR豊田駅から徒歩3分の「雑飲屋 ふじ」は、暖簾をくぐる前から疑問と葛藤の連続です。

雑飲屋って何だ?
店というより住宅じゃないのか?
このアプローチというより空き地と呼ぶのがふさわしいような旗竿敷地に入っていいのか?

などと肝心の料理にたどり着く前にいろんな考えが頭を巡るわけです。

でも全てはポテサラが答えてくれます。

入って良かった。

とにかく美味しい。
380円でさまよえるじゃがいもの宇宙の中でそっと目を閉じます。
餃子は、亡き母が作ってくれた手作り餃子を思い出させます。

50年以上の歴史を持つふじ。
お父さんが従兄弟と始めたオープン当初はテーブル席もあったそうですが、従兄弟が本業のめっき屋に戻って1人で営業するようになってカウンター席に改修したそうで。

おそらく客のリクエストに応えているうちにモツ煮もメンチの甘辛煮もじゃがたまごもメニューに加わっていったのでしょう。

「こんな店だから特色を出さなきゃいけないと思って」餃子もコロッケもポテサラも、ほとんど手作りだそうです。

「昭和のエモい東京醤油ラーメン」を食べたければ、ここは間違いありません。

カウンター席なので常連さんとは必然的に語らうわけで。

にわか親戚のとりとめもないよもやま話みたいな会話が展開されます。

味だけじゃないんだよ、食事をするってことは。

とはいえまずはポテサラを。
また来ます。

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