山梨県の清里に移住を試みた、悲惨な結果
山梨県、清里。
私はこの地を訪れる度、愛しさを募らせ、
20代半ばで、移住を試みた。
どのあたりに愛しさを覚えたのかと言うと、まず、空気のよさ。
漂うカントリーの風、漂う赤毛のアンの世界観、夏でも快適な避暑地、森の中のメリーゴーランド、おいしいパン屋さん、廃れ具合が呼び起こす一種のエモさ、のびのびとした牛達などである。
素敵なカントリーライフをここでおくろう、なんなら永住したいなぁ〜なんて試みた結果、見事に惨敗。
それ以来一度も清里を訪れていない。
”田舎暮らし”に容易に憧れることがいかに愚かであるか。旅行者ではない立場で、そこで暮らす人々と関わった時に感じた圧倒的違和感、自然の中であらわになる自身の深層、そしてなんなく挫折に至るまでのすべてを記録しておこうと思う。
清里で暮らしている人すべてがこうである、ということでは勿論ない。
あくまでも私の感じた、私の触れた世界の話である。
ちなみにこうなってはいても、私は清里が相変わらず好きである。たぶん。
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