同人誌作成の手順紹介
紀咲です。下書きに埋もれそうな記事はあるんですが、筆が乗らないので別の記事を先に書こうと思います。
色々と考えて、今回は紀咲が「同人誌をどういう手順で作っているのか」をまとめることにしました。
数年の活動でこの手順が安定しているな、と思いますが、もっといい方法あるなら採用したいし、他の人のも知りたいな…という貪欲さです。
多分ちょっと長いですが、良ければお付き合いください。
①出るイベントを決める
活動メインジャンルのスケジュールを確認します。基本的に赤ブーブーさんのイベントに出ているので、赤ブーブーさんで公開されているイベント開催日などを確認します。
随分と前の話にはなりますが、ジャンルオンリーのイベントがなかった時はオールジャンルのイベントに出てたりしていました。でも最近はめっきりないですね。ジャンルオンリーを開いてくれないならオールジャンルも選択肢に入れましたけど。
基本的に東京のイベントにしか行けないので、そうなると年に三回から四回ぐらい参加できるイベントがあります。
コロナ禍はwebオンリーが主流だったので、もしオンリーが決定したらそのイベントに出よう、と申し込んだりします。
リアルとwebで、年に六回ぐらいはイベントに参加しています。ですがwebは新刊がない時も全然あるし何なら当日不在なこともままあるので、本を出すのは年に四冊とかそれぐらいです。
webは新刊なくても気にならないのが良いですね。リアルイベントだと、新刊ないと舞踏会に行くドレスがないって思っちゃうから…(ただの思い込み)(ツイッターで見たこの言い方好き)
それでも三か月に一度は出してる計算なので、十分多いんですけどね。
②本の内容を決める
どんな本を出すか決めます。ここ、実は重要です。
出るイベントがどれぐらい先なのかで書ける量も異なります。長編にするのか、短編にするのか。長編にするならどれぐらいのボリュームなのか、短編なら何をテーマにいくつ書くのか。
プロットまでは良いですが、ここでざっくりとテーマなり方向性なりを決めておきます。
私は、書きたい長編のネタがあるなら長編に、そうじゃないなら短編集にしようかな、と思うようにしました。長編ばかり出してましたが、短編集も悪くないと気付いたので。後はイベントの時期で決めたりとか。(夏なのかとかそういう感じです)
③仕様や装丁を決める
本の内容が決まったら、次は仕様や装丁です。
本のサイズ、カバー有無、何か特殊加工などをするのか…。
ここ最近は、文庫サイズで出すと決めているので、カバー有無と特殊加工などを検討しています。
もしここで、「この印刷所じゃないとできない加工がしたい」などがあれば、④の印刷所はすっ飛ばしたりします。
④印刷所を決める
みんな大好き、印刷所のHPを覗く時間だよ~!!
とは言えここ最近は使う印刷所が固定されているので時間はそこまで掛からないんですが、締め切りや料金の比較などに時間を使うこともあるので、程々にしています。
ここ、無限に時間使えるパートなので。時間溶けるんだ。
事前に使いたい印刷所があるならまずそこを覗いたりもするし、そうじゃないなら新規開拓をする。
③の特殊加工が決まっておらず、印刷所を決めてから検討することもあります。ここら辺は慣れですね。
⑤締め切りを確認する
印刷所が決まったら締め切りを確認します。締め切りはいつまでに原稿を終わらせておくか確認するためにも必要ですが、表紙を依頼する際にも必要になってくるので、早割を使うのかも含めて確認をしましょう。
⑥タイトルを決め、プロットを作る
ここから執筆作業に近しい作業に入ります。
依頼などをする前にタイトルとプロットを作る必要があるため、まずはこの作業をします。
②の段階でタイトルが決まっていたらプロットだけで大丈夫です。私はタイトルがぽーんと浮かんで即決するパターンと、全然浮かばなくて泣き出すパターンと二極化しているのでいつも困ります。ぽーんと浮かぶ時はそのタイトルが本当にお気に入りになるんですけど。
プロットはこの後のスケジュール調整のためにもしっかり考えて練っておくのをおすすめします。プロットの精度で進み具合が変わる時も大きいので。
またこの時に、大体のページ数を決めておくと良いです。私は大体文庫で100P程度の本を出しているので、それぐらいの算段で考えます。
私ですら「絶対にこのページ数にする!」ができないので、背幅本当に困りますね。どうにかしたいです。
⑦表紙依頼をする
表紙ですが、私の場合は二パターンあり
・イラストを描いてもらい、デザイナーさんに制作してもらう
・デザイナーさんに制作してもらう
が殆どです。自分で素材を使って作る時もありますが、あまりやらないので依頼することが多々です。
なのでこの2パターンの説明をそれぞれ行います。
・イラストを描いてもらう
もし表紙イラストを描いてもらうのであれば、誰に描いてもらうのかをまず決めます。
・普段から親しくしている方
・相互だけど初めて依頼する方
・交流少ないけどお願いしたい方
・一方的に好きなだけでダメ元になるかもしれない方
こんな形でしょうか。
私もこれまで、色々な方に依頼しています。フランクに頼めたことも、ダメ元で依頼したこともあります。
こればかりは慣れです。スケジュール的に合わなくて断られる場合も、偶然空いてたから良いよ、と快諾してもらう場合もあります。
ただ一つ言えることは、「依頼をしないと受けてもらえるかも分からない」という部分です。
「何であいつがあの人に描いてもらえるんだ」と嫌味のようなことを言われたこともありますが、その差は依頼したかどうか。それだけです。
色々と言いましたが、どの方に依頼するとしてもやることはあまり変わらないです。
また、依頼をするのなら表紙の構図などを決めておく必要があります。他の方のイラストや漫画の表紙など、参考になるものを用意しておきます。
【親しい人への依頼の場合】
軽く打診をします。このイベント合わせで表紙を依頼したい、という形で。余裕があるのか、早めに依頼してほしいのか。軽くすり合わせて、相手に合わせます。その後で詳細を伝えます。
親しい人の場合イベントの参加予定などを把握しているから軽い打診で済んでいますが、そうではない場合はスケジュールの確認をしましょう。
【それ以外の方への依頼の場合】
最初の段階で詳細を伝えて依頼します。この段階で決めているものを全て伝え、返信してほしい日付を指定して連絡します。この時、返信の日程はなるべく一週間程度取りましょう。翌日とか数日は基本的に失礼に当たるので!
詳細は既にテンプレート化しているので、これはまたどこかで掲載しようと思うのですが、ざっくりまとめると下記のようになります。
・頒布予定イベント
・締切日
・依頼内容(表紙だけなのか挿絵も込みか)
・サイズやページ数
・年齢制限の有無
・デザイナー依頼の有無
・使用用途
・連絡方法
・タイトルとあらすじ
・表紙構図(挿絵にもあるなら)
・イメージカラーなど
・謝礼
実際はもっと多いですが、必要最低限だとここなのかな、と。
最近はデザイナーさんに依頼しているので、絶対にデザイナー依頼の有無を入れていますが、もし表紙を描いてもらう方にタイトルもお願いする場合などはその詳細も記載しましょう。
詳細は細かいぐらいが良いです。ここまでいるかな、と思っても伝えられるものは伝えましょう。
またもし、一部決まっていない場合のものがある際には、暫定でも良いので日程など伝えておきましょう。(私はたまにやってしまうので、その際にはいつまでに伝えると申し出ています)
・デザイナーさんに制作してもらう
ここはイラストを描いてもらう後の工程と同じです。
私は、同人誌のデザインをしてくれる方がいると知ってからは、本職がデザイナーなどの方以外を除いてデザイン依頼をしてもらっています。
依頼される側の方からちらりと話を聞くと、やはり文字入れなどの作業は本職ではないので悩むし絵を描く時より時間が掛かる、とのことでした。
また、私が「素敵なイラストを描いてもらったのに文字入れなどのデザインで崩してしまったらどうしよう…」となるタイプのため、自分でデザインをするという選択肢も取ったことがありません。
デザイナーさんに依頼するのであれば、ここでも選定が必要になります。
・ツイッターなどで探す
・skimaやココナラなどで探す
のいずれかでしょう。
少し前まではツイッター上でしか募集していない方が多かったですが、最近は連絡が途絶える・未払いなどの観点から安心感を得るためにskimaなどを利用する方も増えてきました。
私は一度、依頼していたデザイナーさんと連絡が途絶えてしまったので、依頼者側からも安心感を得られることもあり、度々利用しています。
ツイッターでデザイナーさんだけを集めたリストを作っているのでそこから探すか、skimaなどで自分のイメージに合うデザインをしてくれそうな方を探したりします。
他にもデザイナーさんだけを沢山集めたリストを公開している方がいるので、そこも覗いてみましょう。
イラスト有無関係なく、デザイナーさんが決まったらスケジュールの空きを確認して、見積依頼をします。本の仕様の詳細などを送って、どんな風にしてほしいかすり合わせをします。
デザイナーさんに依頼する場合は、必ず依頼方法などを含めて確認してからにしましょう。
同人誌のデザインをしてくれる方は、通常より安価な代わりにリテイクが少ない場合があります。文字以外の修正を重ねると有料になることも。
なので、明確にイメージがある場合は必ず言語化して、漏れがないようにしてから伝えましょう。
私の場合ですが、基本的に出るイベントは早い段階で決めてます。大体赤ブーブーさんのイベントは翌年のイベントまで決まっているため、年内のイベントは前年の冬ぐらいには大抵選定を終えています。
そのため、表紙のスケジュールとしては
イベント開催月二ヶ月前:表紙イラスト、デザイナーさんへの依頼
一ヶ月前:表紙イラスト完成、デザイナーさんへ提出
という想定で動いています。
勿論印刷所のスケジュールによりますが、いつか分からない場合はもう少し早くに動いています。
あんまりギリギリだと迷惑を掛けてしまうので、早め早めに動きましょう。
⑧スケジュールを立てる
表紙を依頼した後はプロットができている想定です。そのため、ここで執筆スケジュールを立てます。
私は自分のペースが分かっているタイプなので、大体この日はこのぐらい、を目安に計画を立てていきます。
その際にすごく助かっているのが、『同人手帳』なので是非とも活用してください。
この記事でも解説しているので活用してください。
このスケジュールを立てる時、ページ数がもし決まっていなかったら。
ざっくりで良いです。これぐらいかな、を入れておきましょう。
悩んだらA5なら40Pぐらい、文庫なら100Pぐらいにしましょう。私は大体こうしてます。
私は、予定が入る日が固定ではないものの、大体この曜日はこれぐらい、を把握しているので、その通りに入力しています。
そうすると大体余裕持って原稿できる、と算出されるので、そのスケジュールを元に動きます。
⑨執筆する
ひたすらに書きます。どんどん書きます。
躓いたら気分転換も入れます。
私はいつも夜21時からを原稿時間としているので、その前にゲームしたりお風呂を済ませたりします。
翌日の朝が早い場合は逆にしたりします。
勿論書けない日もあるし、すごいいっぱい書ける日もあるので、余裕を持って作業をしましょう。
⑩完成
色々すっ飛びましたが完成です。脱稿です。お疲れ様でした。
印刷所に入稿して、手元に新刊が届くのを待ちましょう。
⑪総評
ということで、一連の流れがこんな感じです。
執筆前の①~⑤を締め切り二ヶ月半前ぐらいに終わらせます、
⑥もそれぐらいに終わってると良いですが、そうじゃない時もあります。
⑦~⑧が締め切り二ヶ月前ぐらいにやって、
⑨を二ヶ月~一ヶ月半ぐらいといった期間の設け方をしています。
と思うと、一冊に三ヶ月程度掛けているので、年内に四冊は出せる、といった計算ですね。
ただイベントの準備だったり何だったりもするので、一ヶ月は執筆以外の作業がメインかな、と思います。
でもたまに無茶だなあと思う時もあるので、出す数は減らしても良い気がします。でも減らせてないので駄目ですね。
長々となりましたが、もし良ければ他の方も、どんなスケジュールを立てているか教えてくださると嬉しいです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。