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タイの田舎で地球を考える −イサーン自給自足共同体レポート−

 以前にも気流舎で『気流の鳴る音』を読んで過ごしたフランスの共同体レポートをしていただいた、元カフェ・ラバンデリアメンバー根岸恵子さんに今回はタイ、イサーン地方の共同体のお話をお伺いします。

日時:2024年3月7日(木) 19:00~21:00
会場:気流舎(下北沢)
会費:入場無料、投げ銭制 
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店番:ハーポ部長
報告:根岸恵子

 「この国に農家は必要ない」と考える農水省は、新自由主義によるグローバリゼーションを背景に国内の高価な野菜より廉価な輸入野菜に依存し、食糧自給率を下げまくっている。裏を返せば、こうした国策が熱帯雨林などの森林伐採に依存した巨大プランテーションによる環境破壊やグローバルサウスの人々の食糧を奪い飢餓を招いている。

 かつて農民作家の山下惣一さんが市民皆農といったように、小農こそ地球を救うのではないか。金儲けではなく、自分の食べるものは自分で作るという発想こそが、モノカルチャーによる環境破壊から地球を守り、食の安定化を目指す。

 今回旅をしたタイの農村は複合農業による、環境と経済の持続可能な社会をつくっている。生きるために必要な農地はそれほど広くない。そこに池を掘り、多種多様な野菜を植え、機械ではなく牛を飼う。牛の糞はたい肥となり、池で育つ魚も重要なたんぱく源だ。こうして作られた無農薬の野菜は「緑の市場」という共同体で運営される市で売られる。人々は安全な野菜を安く購入でき、農家は経済的な安定を得る。

 特に今回巡り合ったスース―バンドは「生きるための歌」を歌いながら、複合農業を基本に自給自足的な共同体を営んでいる。金のない、幸福な生き方こそが地球を救うのだと思う。(根岸恵子)

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