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一発で


僕の心に住むあの子。
いつからか、この穢れた心に清らかな君がいた。

それは嬉しくもあり、苦しくもあり。
いつもいつも葛藤していた。

早く消さなければ。
でも。消してしまうと僕はどうにかなりそうで。

いや。
すでにもうどうにかなっているんだけど。
もっとどうにかなってしまう。

それでも、早く消さないと。

君は微笑む。可愛い声で話しかける。触る。 

それはそれで、どうにかなってしまう。
君まで穢してしまう。

今ならまだ間に合うから。


ねぇ

誰か撃ち抜いてよ。
穴を開けてよ。

あの子ごと撃ち抜いて。
僕の心臓。

純白のドレスを着て、僕に穢されまくった偽物のあの子。
それでも優しく微笑む無邪気なあの子。

偽物から本物にならないうちに。


あの子がいる限り
僕は幸せになれない。

あの子がいなくなると
僕は幸せになれない。

どっちにしたって
僕は幸せになんてなれやしない。


だから

誰か撃ち抜いて下さい。
あの子ごと
僕の頭。

もう何も考えなくていいように。
考えた先にある絶望に気づかないうちに。


あぁ。そうだね。
君の言う通りだ。

自分でやるしかないね。

どっちがいいかな。
どっちでもいいか。

本物は手の届かないところに。

僕の穢れた手の届かないところに。


心に決めました。

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