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プレゼンの基本【読書レビュー】

                評価:★★★★★                    おススメ度:★★★★★ 

 この本のエッセンスは「プレゼンは手段であって目的ではない」というものだ。どういうことか、ピンと来ない人もいるだろうから、詳しく解説していこうと思う。ちなみに、本書の評価とおススメ度は文句なしの★5つだ。その理由は全てにおいて網羅的に書かれているからだ。プレゼンの上達を促すようなビジネス本は過去にもたくさんあったろう。しかし、本書を執筆した田口氏は、かのゼネラル・エレクトリック(以降GE)にてプレゼン講師を務めていた方なのだ。そのため、過去に見てきた研修生のプレゼンをもとに、最適なプレゼンの作り方を導いてくれるものとなっている。つまり、本書は私が書いたレビューの中でも、かなりの高評価となっている。ビジネスマンにはもちろんのこと、私のような就活中の大学生にもおススメの一冊である。

 さて、正直な話をすると本書で印象に感じた部分というのは“全て”と答えたい。それではレビューにならないため、あえて2つのポイントについて説明しよう。まず1つめは、プレゼンの構造についてだ。著者曰く、いいプレゼンの構造は「ABCD構造」だという。これはプレゼンを作り上げるまでの順番を表しており、Aは分析(Analyze)、Bは構築(Build)、Cは構成(Construct)、Dは伝える(Deliver)となる。結果として聞き手からEの約束(Engagement)を獲得することができる、という流れとなるのだ。多くの人はCのスライド作りに時間をかけてしまうが、分析や構築にもしっかりと時間を使うことで、より魅力的なプレゼンができるようになるという。次に2つめは、意思決定権者の存在についてだ。本書ではたびたび取り上げられているが、プレゼンの対象者の中には意思決定権者というものがいる。相手企業の事業担当者、自社の社長及び役員など、聞き手にも優先順位が存在することを忘れてはいけない。GEでは「10人の聞き手がいたら、10人全員に対して均等に話しかけてはいけない」(参考:p.36.1)と教わるそうだ。これは、あえて意思決定権者への目配りや50~60%程度のエネルギー投入を行うことで、プレゼンで得られるリターンを大きくする目的があるようだ。意思決定権者を見極めるというポイントは、上記の構造におけるAにあたるが、これを取り入れるかどうかで、プレゼンの成功率上昇が見込めるのは、周知の事実であろう。これら2つのポイントを抑えるだけでも、あなたのプレゼンは上手くいきそうだが、まだまだ魅力的なプレゼンとは言えないのではないだろうか。上記までの内容で第2章までとなっているため、それ以降はさらに面白い内容が詰め込まれている。ぜひ下記リンクより購入を検討してくれ。

 本の特徴としては、全62の章題でとても読みやすい。以上だ。


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