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色褪せし鳥居の朱や青蜜柑

台風が過ぎたら急に涼しくなって来ました。このまま暑さは戻って来ないのでしょうか?わがままなもので、それはそれで寂しい感じもします。昨日は彼岸の入り、「暑さ寒さも彼岸まで」の謂われ通りですかね。

京都市内の銀杏では堀川通りの銀杏並木が有名です。黄葉はまだ2か月ほど先ですが、普段のなんでもない通りが黄色一色へと変わります。そう言えば河原町通りでも御池より北は銀杏並木がありましたね。写真の銀杏並木は神宮外苑の銀杏並木だと思いますが、スケッチ風なので細かいところは省略です。

俳句は基本形の第四弾 上五に季語で下五は動詞+「けり」
第三弾が季語+「かな」で終わるのに対し、第四弾は季語が上五に来ています。基本は中七に季語とぶつかる言葉を持ってきて下五で「XXXけり」と言い切ります。

「かな」が沈黙の切字なのに対し「けり」は決断の切字と言うそうです。「かな」は余韻を残し、「けり」は言い切るのですね。

復習すると
    上五        中七    下五
①   季語(名詞)+や   ー      名詞(名詞)
②   ー        +や     季語(名詞)
③   ー          ー     季語+かな 
④   季語(名詞)    ー     動詞+けり

基本的に季語とそれ以外の文は無関係なもの(二物衝撃・配合の句)
特に③④は一物の句になりやすいので注意。④の中七は季語と張り合う強いものがよい。

では第四弾の練習です。まず五文字の秋の季語を探します。そして無関係の文章に「けり」

いわし雲コーヒーぬるくなりにけり

いわし雲缶コーヒーも冷めにけり


いわし雲にコーヒーだと外で飲むコーヒー?喫茶店か?ぬるくなると言うことは話に夢中でコーヒーが冷めてしまったのか、それとも飲むことさえ気まずい状況なのか?詠んだ本人にも分かりません。待てよ!家でコーヒーを飲んでいるとしたら、外の景色を見ながら物思いに耽っていたらコーヒーが冷めてしまったということか?やはり景色が特定出来ないので駄目ですね。二物衝撃ならず二物すれ違いでした。と思ったら以外と受けがよかったので追加です。
「いわし雲井戸水ぬるくなりにけり」
井戸水も秋になれば夏よりぬるく感じるかなと思って詠いましたが、どうもピンと来ませんね。

色褪せし鳥居のあかや青蜜柑


余り人の来ない寂れた神社をぶらりとしているとふと何かが実っているのに気が付きました。ああ青蜜柑か、そろそろ秋だなと言う感じでしょうか。いやここは「色の褪せにけり」を伝えようとしているので、気候の良い秋になったのにこの神社には人が来なくて寂しいものだなと言うことになるのかな。

秋の蝉公園に子ら遊びけり


まだ秋は始まったばかり、気持ち良い日に子供が公演で遊んでいると言う句ですね。秋の蝉から公園を連想しましたが、これではすれ違いはないけど、無関係とも言えないですね。そして子供が遊ぶのは当たり前なので心に訴えるものが何もないですね。ただ俳句の体裁がとれたという感じでしょうか。
「秋の蝉スーパーに子ら遊びけり」
スーパーの方が駐車場もあり、ちょっと危険な感じが出ますね。

初嵐ちんちん電車走りをり


ちんちん電車が走るのは当たり前なのでこの句もそもそも駄目でしょうね。ただ初嵐で少しだけ風の強さから何かが感じられるかも知れません。季語の力と言う奴ですかね。あれっ「けり」ではなく「をり」になってしまった‼️でも、ここはやはり「走りをり」でいきたいですね。


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