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木原事件 読売新聞の犯罪

10月に大塚署が刑事告訴を受理した安田種雄さん不審死事件について「事件性なし」とする捜査結果を12月15日検察に送付したという記事が読売オンラインの16日朝5時に掲載されました。その後、新聞各紙が追随し日テレ・テレ朝では同様の内容がストレートニュースで放送されました。この事件を追いかけていたテレ東だけは流石に遺族の落胆する姿も伝えていましたが、これまでの詳しい事情を知らない国民にとっては木原議員が何かの事件で週刊誌を騒がせていたが、結局「事件性はなかった」のだなと言う印象を与えるだけの報道になっていました。もし「事件性なし」の報道が読売の誤報だとしたら、いやもし「意識的な印象操作」だとしたらこれはまさに「読売新聞の犯罪」と言ってもいいくらいの出来事です。

遺族の「X」ポストによると大塚署から検察へ捜査結果の送付がなされたと言う電話はあったものの「事件性なしで送付」とは聞いていないそうです。又、読売新聞から当日夜に取材はあったものの「捜査結果は一切聞かされていない」と答えたと言います。しかし読売は遺族への取材にも拘わらず「大塚署は事件性なしと言う捜査結果を遺族に伝えた」と報道しているのです。元産経新聞記者のユーチューバーは念のため警察に問い合わせたと言いますが、警察ではそのようなことを言った事実はないと言うことでした。これって一体どういうことなのでしょうか?読売新聞の記者が勝手に送付書類の中身を想像して記事を書いたのでしょうか?多分、警察は事件性がないとの「匂わせ」をしつつ、検察へ捜査結果を送付したこと、遺族にもその旨連絡したと言う単純な事実だけをリークしたのだと思います。かつて政府に逆らっていた前川文科省次官を追い落とす為、彼のキャバクラ通いを報道したのは読売新聞ですが、安倍政権下で官房副長官を努めた警察官僚の杉田氏がこの報道の裏で動いていたことは有名な話です。この杉田官房副長官の後任である栗生官房副長官が今回同じように読売新聞を印象操作に使うことくらい朝飯前のことです。ただ悪知恵の働く栗生官房副長官ですから自分で直接動くことはないでしょう。例によってまた露木警察庁長官に囁いたのかも知れません。勿論、本当に露木警察庁長官自身が意地を張って「事件性なし」で送付せよと命じた可能性もゼロではありませんが、そもそも佐藤元警部補が言うように警察に自殺か他殺を決定する権限はありません。でも実はこのタイミングがとても大事なのです。最終的に検察が警察の判断を覆したとしても、警察は捜査を継続するだけでの話で、そんな経緯を政権御用達のマスコミがいちいち報道するとは思えません。まさに言ったもの勝ちと言う酷い話です。

2018年当時の佐藤元警部補がX子から事情聴取した時の様子を想像して見るとこの事件が自殺でないことやX子が必ず真相を知っていることは素人の私にもわかります。勿論、深く刺さった刃物が抜かれて腿の横に置かれていたこと、血液の足跡が付いていること、階段に血液が滴下されていること、死体には動かされた形跡があること、そもそも夜に自殺したとしたら点いたままのはずの電灯が、発見時には消されて真っ暗だったこと等など事件現場の様子だけでもこれが殺人事件であることは明らかですが、敢えてX子との会話を再現して見ます。

警部補:事件当夜あなたは何をしていたの?
X子:別の部屋で朝まで子供と一緒に寝ていました。

警部補:種雄さんが死んだ時の叫び声も聞いていないと言うの?
X子:はい。気が付きませんでした。

警部補:そう言えば夜中に誰かに電話しなかった?
X子:いえ!寝ていたので電話などしていません。

警部補:それはおかしいね〜。通話記録があるんだよ。Yはあなたから電話があって「種雄さんが刺せと言うから刺してしまったと言った」と言っているよ。
X子:は、はい!思い出しました。種雄さんと揉めているので助けて欲しいと電話しただけです。Y氏が来た時、種雄さんは生きていました。

警部補:そうか。ではYが来てからどうした?
X子:いろいろ話し合いをしていましたが、子供がいたので私は二人を居間に残して先に寝ました。

警部補:おかしいね〜。Yが来たのは12時頃だとNシステムでわかるんだよ。でも、その時刻には種雄さんはとっくに死んでいるんだけどね。
X子:・・・・・

これ以上X子は何も喋らなかったようです。
この事情聴取の内容は録音されているのでしょうか?少なくとも事情聴取の文書記録は残っているでしょう。それだけでX子が当夜何が起こったかを知っていること、それを隠す為に嘘ばかりついていることがわかります。ただX子は種雄さんが自殺したとは一切言っていません。いやそれよりY氏があたかも犯人であるかのような身勝手な供述をしているのです。

世間話以外は黙秘を続ける中、佐藤元警部補はY氏から聞いたナイフの取手に巻かれた両面テープの話を聞いています。

警部補:ナイフの取手に両面テープを巻いたことはあるかい?
X子:いえ、ありません。
警部補:そうだよな。

この時すでに佐藤元警部補の頭の中には別の人物の存在が浮かんでいたのです。実は警部補は事情聴取が始まってすぐにX子が実行犯でないと感じていたそうです。しかし彼女が話をしない限り手詰まりな状況は変わりません。そこで切り札とも言える一枚の写真を彼女に見せます。それは事件発覚の当夜、X子がY氏と本郷の居酒屋で撮った写真で、X子は何故かカメラに向かって嬉しそうにピースをしているのです。なお、Y氏はそばで暗そうな顔をしていたそうです。

警部補:この写真はいったいどういうことだ!
X子:・・・(動揺した様子)

この日、家に帰ったX子は警察がかなり真実に近づいていることを木原氏に訴えたのでしょう。「もう駄目かも知れない。なんとか幹事長にお願いして取り調べを止めさせてください!」と言ったかどうかは分かりませんが。

その後、どんなルートを辿ったかは明らかでありませんが、急に彼女への取り調べが中止したことは間違いのない事実です。最終的に捜査の縮小・中止を命じたのは当時警察庁長官だった栗生氏である可能性は充分にあります。岸田政権で官房副長官となった木原氏が官僚人事担当の官房副長官に栗生氏を推挙したことは色々な方が言っていることです。それ以降、栗生氏が木原氏を支えていることは間違いなく、木原氏の愛人・隠し子問題が発覚した時も栗生氏は文春記者に対して「彼は善意で他の人と共同でシングルマザーを助けているだけだよ。多めに見てくれよ」とかなり事情に通じた発言をしています。総選挙が近いと思われた9月に木原氏が栗生氏と共に鉄道各社の幹部と会食していたことも文春に報じられていますが、私はこの会食も栗生氏主導でアレンジされたのだと思っています。鉄道警察隊の時代から警察は鉄道会社との関係が深いので、木原氏の選挙区を走る西武鉄道やJR、そして周辺を走る東武鉄道など職員への働きかけを要請したとしても不思議ではありません。

策士の栗生官房副長官が今回のやらせ報道の背後にいたのかどうかは分かりません。でも冷静に考えれば検察が誰が見ても他殺と思われるこの事件を警察の言うままスンナリ「事件性なし」で認めるとはとても思えません。(もし認めるとしたらそれこそ検察が政権の圧力に屈することであり日本が終わったと言うことです。)物的証拠が少ないこの事件で果たして被疑者の特定や起訴まで行けるかどうかは予断を許しませんが、少なくとも「事件性あり」として「継続捜査」にはなると思います。今回の読売新聞報道はその辺りの感触を熟知している栗生官房副長官がタイミングを見て放った最後の木原援護射撃いや最後のあがきなのかも知れません。


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