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廃屋

最近は廃屋・空き家問題が深刻なようですね。自分のまわりにも親の家が空き家になっているなんて話はザラにあります。かく言う私も栃木の家は兄に任せていますが、誰も住まないので一切金はかけない、修理はしないという条件で人に貸しています。その代わり家にどんな手を加えても文句は一切言わないとしました。何年かして実家を見に行ったら借り主はなんと塀を取り壊して庭に直接自動車が入れるようにして、庭は完全に駐車場と化していました。元々実家の駐車場は細い道の前にあり何度か切り返しをしなければならなかったので、一番の不便を解消したのかと感心したものでした。まあ自分の家なら絶対にやらない仕業ではありますが。

絵は近所の廃屋です。板壁が外れて土壁が見えていましたが、何故かその土壁の剥き出た家を描きたくなりました。

散歩道廃屋囲み草茂る(くさしげる:三夏)

見たまんまを散文の順序で詠っています。取り敢えず情景は浮かぶと思いますが、やはりそれがどうしたという句ですね。夏には草が茂っていつも見る人の住まない廃屋が更に目立つな〜という感慨ですが、どうでしょうか?

廃屋や夏草なかから顔を出し(なつくさ:三夏)

廃屋の中まで草が生えているようで壁の割れ目から草が表に出て来ています。太陽を求めて生きる草の生命力はたいしたものです。家の中は覗けませんが、どんな状態なんでしょうね。
「顔を出し」と擬人化したので「なか」も中でなく内です。夏草は「家の中の人」のイメージにしました。


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