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牡蠣小屋の大網狭し牡蠣の山

牡蠣は約3億年前から地球上に存在していたことが確認されています。そう牡蠣は太古の昔から日本でも西洋でも多くの人に愛されている食材ですね。ニューヨークのオイスターバーではとても美味しい「クマモト」という小さいけどクリーミーな牡蠣が有名ですが、日本では余り聞いたことがありませんでした。調べて見ると戦後八代海の種牡蠣がアメリカ西海岸のワシントン州に輸出され、大変美味しいと評判になり、今ではアメリカ全土で有名になっています。しかしながら八代では海苔の生産などに代わられ、生産されなくなり今では熊本県は牡蠣の生産高トップテンにも入っていません。

ヨーロッパではヒラガキ(フランス牡蠣)と呼ばれる平べったい牡蠣が食べられていましたが、1970年代の寄生虫発生により生産が激減した為、日本からマガキを輸入し、養殖が進められました。その結果ヨーロッパの牡蠣は日本のマガキが牡蠣の主流になっています。このマガキは主に宮城県気仙沼で養殖されていました。2011年の東日本大震災で牡蠣の養殖施設が壊滅的な大打撃を受けると、フランスが70年代の恩返しとして日本へ種牡蠣が送ってくれたことで、気仙沼の牡蠣養殖が復活出来たという話をテレビで見たことがあります。そう言えばニューヨークのオイスターバーには「ミヤギ」というブランドもあったことを思い出しました。あれは気仙沼のマガキのことだったんですね。

こうして見ると日本由来の牡蠣が世界中で食べられていることがわかりますね。いやちょっと待てよ!中国ではどうなっているのかな?オイスターソースと言えば中華料理には欠かせません。でも余り中華料理で牡蠣を食べた記憶がありません。タイにいた時はパタヤビーチに行く途中の食堂で牡蠣と卵を大きな鉄板の上で炒めて食べさせてくれました。あれは美味しかったな〜〜。うむ、そうだバンコックの高級ホテルのレストランでここなら当たることもないなと生牡蠣を食べて、もんどりうったことも思い出しました。話を中国に戻しますが、中国は基本的に内陸に首都があり、食べるものも海産物より豚や野菜や川魚が主な食材でした。料理も保存が効くものをもどして食べることが多いです。調べてみたら、やっぱりありました。中国では干し牡蠣(干し柿ではありません)にして食べていたんですね。完全な保存食で乾燥した牡蠣をもどして食べます。と、ここで大発見です。あの有名なオイスターソースはこの干し牡蠣を作る時の副産物だったのです。なーるほどこうすれば牡蠣にあたることはありませんね。

忘れていましたが、シドニーで食べたロックオイスターも小振りながら、とても美味しかったですね。生牡蠣を前菜で12個は食べていました。控えめの時でもハーフサイズで6個は食べました。ロックオイスターだから日本の岩牡蠣かと思ったら違いました。豪州の東海岸にしかいない固有種なんですね。そうそう思い出しました。現地の人は生牡蠣よりも「キルパトリック」という料理名の焼き牡蠣をよく食べていました。ベーコンを細かく切ってソースをかけて焼いたものです。私も大好きでよく食べました。他にも「モルネー」という卵黄とチーズをかけて焼いた牡蠣がありました。でも濃厚過ぎて牡蠣の味がどこかに消えてしまうので私は余り食べませんでした。

牡蠣と言えば「r」の付かない月May,June,July,Augustには食べてはいけないと言われた人も多いと思います。でも実はこの期間は牡蠣の産卵期だから食べないので当たりやすいからではありません。日本の岩牡蠣は夏が旬だし、マガキも最近は産卵期でも生殖巣が発達しないように改良した牡蠣も出来て一年中、いつでも食べられるようになっています。そもそも牡蠣の毒や菌は牡蠣がもともと持っているものではなく、プランクトンなど外から取り入れるものが原因なんですね。

牡蠣食えば金が減るなり大家族

いきなりふざけてしまいました。

牡蠣小屋の大網狭し牡蠣や牡蠣

牡蠣小屋の大網狭し牡蠣の山

これは赤穂の牡蠣小屋に行った時の情景です。風が吹き込む掘っ建て小屋ですが、熱い火が近くにあって寒さも一息ついたころ、いい具合に牡蠣が焼き上がります。「牡蠣小屋」も「牡蠣」も冬の季語ですが、ここは敢えて季語重なりです。「牡蠣や牡蠣」なんて言い方がありなのか分かりませんが、ウキウキ感を出して見ました。念のため、まともな句も並べて置きました。

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