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人肌の温もり恋し寒蜆

珍しく色っぽい句になりました。しじみは季節を問わずに採れますが、春の季語になっています。でも寒蜆となると冬の季語になります。キゴサイでは雪の中、船に乗っての蜆採りは趣があると説明がありました。多分宍道湖の蜆採りの景色でしょうね。寒蜆という字を読むだけでもなんとなく趣がありますね。蜆と言えば味噌汁が定番ですが、冬に一人寂しくカウンターですするしじみ汁で身体は暖かくなったものの、人肌の温もりが恋しいなあという妄想の一句です。「人肌」と「温もり」なんとなく被っているようにも思いますが、ただ「人肌恋し」ではなく母の温もりも含めた「人肌の温もり」が恋しいのです。

蜆にはオルニチンが多く含まれていて二日酔いに効くと言われていますが、特に確証はないそうです。しかもオルニチンのサプリメントは糖蜜を原料にした発酵法で生産されているケースが大半だそうです。でも昔から蜆は肝臓に良いと言われているので何かいいものが入っているのでしょうね。

ヤマトシジミは汽水で育ち、雌雄異体の卵生ですが、淡水で採れるマシジミは雌雄同体の卵胎生で殻の中で卵が育つそうです。同じ蜆なのに雌雄異体と雌雄同体なんてびっくりですね。

人肌の温もり恋し寒蜆

しじみ汁の白濁した汁を見るといかにも栄養がありそうな気がします。しじみ汁や味噌汁の蜆は食べるのか残すのか揉めている人達がいますが、面倒くさい人は食べなくてもいいですよって話です。ただタイワンシジミと言う外来種がありマシジミととても良く似ています。マシジミに較べて繁殖力が強く、汚い水でも育つので食べない方が無難なようです。1985年に日本に侵入したと言われ、見分けがつきにくいことから味噌汁の蜆は食べない方がいいと言う都市伝説が生まれたのかも知れません。

膳しめる小さきお椀のしじみ汁

会席などの最後に出されるご飯と味噌汁と香の物、蜆の味噌汁は何故か小振りのお椀に出て来る気がします。私の気のせいでしょうかね。

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