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水彩画 御所桜

今年はコロナの心配などしないで花見に行けたらいいですね。絵は前に描いた京都御所にある枝垂れ桜ですが、私は御所の桜としてはどちらかと言うとこの御所桜や西側の桜の林より北側の近衛邸跡にある糸桜が豪華で本数も多いので好みですね。

さまざまなこと思ひ出すさくらかな(芭蕉)

桜を見に本当にいろいろなところに行きましたが、取り敢えず今回は京都の桜で詠います。

疎水ゆく十石舟に桜舞い(さくら:晩春)

桜の季節になると京都岡崎の疎水を走る十石舟の乗船口には長い行列が出来ます。疎水の両岸にある桜並木はひらひらと花びらを落としながら観光客を楽しませてくれます。

来し人を優しく包む御所桜(ごしょざくら:晩春)

京都御所にある御所桜には観光客が桜の周りを回って写真を撮ったり眺めたりと桜を取り囲んでいますが、実は御所桜が皆さんを暖かく迎え、大きく包み込んでいるのかも知れませんねと言う句です。

糸桜見上げし隙の太巻かな(いとざくら:仲春)

糸桜見上げる隙に太巻食い(同)

御所の北の方にある近衛邸跡の敷地には糸桜と呼ばれる枝垂れ桜が所狭しと咲いています。ところどころにベンチもあって座りながらゆっくり眺めることも出来ます。早咲きの枝垂れ桜で京都はここから花見が始まると言ってもいいくらいです。でも沢山の人が見に来るので流石にお弁当をゆっくりベンチでと言う訳にもいかず太巻きを脇に隠しながらの花見弁当です。

ぼんぼりを空に突き刺す桃の花(もものはな:晩春)

桃の花ぼんぼりのごと空に浮き(同)

御所の春は梅から始まり桃の木そして桜と続きます。ほぼ同じ場所にあるので開花の順番に歩くと違う花を愉しむことも出来ます。八重の桃の花はぼんぼりのように天に向かって美しく咲いていました。しかしぼんぼりを「突き刺す」のも乱暴なのでここは淑やかにもう一句。


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