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スケッチ 城崎温泉

城崎温泉のスケッチです。今回は柳を主役にして家並みはほとんど描いていません。柳の隙間から見えるわずかなところに少しだけ色を着けました。

温泉は前にもやったので柳を詠ってみます。柳は晩春の季語ですね。
はれ物に柳のさはるしなへかな(芭蕉)
「しなへ」とは刀の横のひび割れのような傷とありました。てっきり柳がしなうのかと思いました。

撮影所堀にお決まり柳の木

京都太秦の撮影所のセットは土塀の家並みにお堀があって、お堀端には必ずお決まりの柳の木ですね。多分、日光江戸村でもやはり同じだったと思います。お堀に柳は江戸時代の町並みの象徴なのでしょうね。

銀座の柳通えどいずこ記憶なし

現役時代の銀座と言えばたいてい夕食後のほろ酔い気分で店のありかを探すのに忙しく、歌で有名な「銀座の柳」など目に入りませんでした。銀座は同じような店がいっぱいあるので一度行ったくらいではなかなか辿りつけないのです。そして銀座から帰る頃には更に酔っ払っていて柳どころか記憶そのものがあいまいです。因みに銀座の柳は明治時代に植えられるも銀座通りの拡幅工事や関東大震災でなくなっていましたが、昭和初期に「昔恋しい銀座の柳〜」と東京行進曲で唄われたことがきっかけで復活したそうです。

しなやかな柳のすそや高瀬川

さよさよと柳のすそや高瀬川

京都高瀬川は木屋町通りに沿って流れる風流な水路です。一応高瀬川と呼ばれてはいますが、川ではないこの水路の水深は浅く、ここを通る為の特別な運搬舟を高瀬舟と呼んでいました。桜の季節が最高だとは思いますが、風に揺れる柳もなかなか風流ですよ。「しなやか」はスポーツ選手みたいになるので「さよさよと」に変更です。

柳川の緑豊かや舟しずか(みどり:初夏)

これは柳川の遊覧舟に乗った時の記憶をそのまま詠ったものです。柳の緑が川面に映り、あたり一面が緑です。そんな中を舟がゆっくりゆっくりと進んで行きます。

城崎温泉


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