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ジャニーズ問題 楽しくなければテレビじゃない(フジテレビの闇)

ジャニーズ問題では再発防止特別チームが「マスコミの沈黙」も事件が長期に亘り続いた一因と指摘されていました。当初はNHKがクローズアップ現代で簡単な検証番組をしただけでしたが、時とともに他のテレビ局への批判が強まり、日本テレビやTBSでも検証番組を報道していました。そんな中、フジテレビも21日にようやく関東地方だけの放送番組・週刊テレビ批評特別版で他局と似たような検証番組をしました。私もTverで見ましたが、誰かの追悼番組のような雰囲気の中で幹部がカンペを棒読みするような反省を口にしていました。見ていて何年か前にSMAPが5人並んで謝罪をした番組の不自然さを思い出しました。

フジテレビは1988年に社長に就任した日枝氏がその後長い間会長を努め今ではフジサンケイグループの代表として通算35年間もの間フジテレビのトップとして君臨しています。公共電波を使う公共放送会社のトップにオーナーでもない日枝氏が留まっていることはどう考えても異常です。1988年に入社した社員が58才になった今でもずっと同じトップに気を遣っているということですね。その日枝代表はジャニーズ性被害当事者の会が出来て世の中が騒ぎ出した後でも「10人くらいの人が被害に合ったと言ったって本当かどうかわからないではないか」と記者の質問に答えていました。こんな破廉恥なことを言う人がフジテレビ入社時に既に社長か会長だった訳ですから、局長クラスの幹部と言えども自分の言葉で意見を言うことなど出来ず用意された原稿を棒読みするしかなかったのでしょう。

フジテレビの検証自体は男性の性被害に対する認識が甘かったとか芸能ゴシップの類で報道するに値しないと思った、事務所に対する忖度は確かにあったなど他局と殆んど同じでした。入社した時からフジテレビがジャニーズ事務所を特別扱いしていることを知っていれば報道部門の人と言えど事務所の不都合な事実など報道出来ず、ましてやジャニー喜多川の噂なんて追求出来るはずもありません。フジテレビからジャニーズ事務所に出向していた敏腕女性プロデューサーが昨年フジテレビを退社してジャニーズ事務所の取締役になっていたと言うことが最近のヤフーニュースに出ていましたが、彼女の元夫がフジテレビ元社長の金光修氏だったと言うことも気になるところです。

しかし何故フジテレビはこれ程昔からジャニーズ事務所とべったりだったのでしょう。勿論今ではフジテレビに負けるなとばかりジャニーズ事務所に抱きついたテレ朝の方が有名になりましたが、ジャニーズ老舗局はやはりフジテレビです。一つ考えられるのはメリー氏が娘をフジテレビに入れたことでしょう。ジュリー氏は上智大学を卒業した後、日枝社長時代のフジテレビに入社し秘書室で1年ほど働きました。秘書室とは社長や役員の秘書が集まった部署なので日枝氏のみならず色々な役員と知り合いになったことでしょう。当然フジテレビ幹部はジャニーズ事務所の経営を担っていた母親のメリー氏とツーカーになったでしょう。フジテレビは当時「楽しくなければテレビじゃない」との標語を作り、ワクワクする楽しい会社になろうと会社のロゴもお天気マークみたいな報道機関らしからぬロゴに変更していました。フジテレビのお笑いやバラエティ路線はこの時代から始まったと言っていいでしょう。SMAPが歌以外の料理やコントをやって人気を博したスマスマは飯島女史の力によるものと言われていますが、もちろんその後ろにはジャニーズ事務所がありました。他のテレビ局もフジテレビに負けじとジャニーズ事務所のタレントの取り合いとなり、ドラマなど色々な場面で起用するようになりました。そして西の吉本、東のジャニーズと言われるぐらいテレビのバラエティ番組にジャニタレが出ないことがない状態はつい最近まで続いていました。日本のテレビ界にとって「楽しくなければテレビじゃない」と言うフジテレビの路線が全てのテレビ局に広がったことが本当にテレビ業界にとって良かったのかどうか私にはとても疑問です。いつの間にかテレビ番組全体の質が落ち、テレビ離れが起こったことと決して無縁ではない気がします。


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