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火迺要慎(ひのようじん)

京都の愛宕山にある愛宕神社は7月末に参拝すると千日詣りと言って千日分のご利益があるそうです。また、火伏せの神様とも言われ火の用心の御札をいただけます。

御札には「火迺要慎」と書いてあって、これで「火の用心」と読みます。迺は本来「ない」と読み「すなわち」という意味だそうです。つまり火の用心は「火すなわち慎みを要す」ですかね。昔から京都では台所の竈の前や調理場など火を使うところには必ず張ってありました。多分、京都に来られた方はどこかで見たことがあるのではないでしょうか。御札には愛宕ではなく阿多古と書いてあって知らない人はなんのこっちゃというくらい分かりにくいですね。

蛍光ペン引く参考書火の用心(ひのようじん:三冬)

受験生遠くで響く火の用心(同)

もうほとんど聞くことのなくなった「火の用〜心さっしゃりませ」の声ですが、受験勉強をしていた頃は冬になると毎日のように聞こえてきました。たいした暖房道具も無かったのでドテラを羽織り襟巻きを巻き、ひざ掛けに厚手のソックスで夜遅くまで勉強したものでした。

納豆に明太子で飯二杯(なっとう:三冬)

この五年ほど夜はご飯なしでおかずのみの夕食になっています。このダイエットは私にはとても効果があって10キロくらい痩せることが出来ました。その為、納豆や明太子で白ご飯を食べたいなあと何時も思っています。そんな小さな夢を詠んだ句です。

初愛宕真白な護符や京割烹(はつあたご:新年)
初愛宕真白な護符やおくどさん(同)

愛宕神社でもらった新しい「火迺要慎」の護符を貼ったお店で食べるおばんざいなんて「いいなあ」と夢想しての一句です。何故かまだ新しい護符は見た記憶がありません。たいていの店では油で汚れたような古い護符が貼られていますね。

おばんざいもう一本と冬の宵(ふゆのよい:三冬)

おばんざいと言ったら先斗町の小さな店のカウンターで食事をしている時を思い出しました。でもお酒をついでくれたのはごっつい親父さんでした。

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