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かまくらに溢るる笑い火照り顔

今日は雪国名物の「かまくら」です。秋田県で小正月の行事となっているので新年の季語です。かまくらはかまどに似ているので竈蔵と呼ばれたとか神様の御座所から神座が転じたものと言われています。でも新潟県の魚沼では「ほんやら洞」と言うようで全然違う名前です。雪国ではどこでもある風習かと思いきや秋田県の六郷、角館、横手とかなり限定的な行事なんですね。もともと鎌倉時代に二階堂氏が六郷の地頭となった時に京都の左義長をまねた火祭りを行ったのが始まりと言われています。でも一般的になったのは江戸時代の初頭でその頃から横手、角館でも同じような行事が始まっています。

正月の注連飾りを焼いたり、水神様を祀るのは共通しているようですが、六郷では今でも鎌倉大明神を祀る鳥追い行事が行われていてその鳥追い歌の中にも鎌倉殿が出て来ます。六郷の地頭に任じられた二階堂氏が鎌倉殿を祀った可能性は十分にあると思います。「かまくら」は竈蔵や神蔵よりも「鎌倉殿」そのものではないかと考える方がロマンがあっていいですね。ちなみに藤原姓の二階堂家は皇族将軍に従って京都から鎌倉に下り、代々鎌倉幕府の政所執事を勤めていた家系です。

さて中に入ったこともない「かまくら」ですが、写真などで見ると子供たちがいかにも楽しそうなのでかまくらに入った気になって一句です。

かまくらに溢るる笑い火照り顔

お餅を入れたかったのですが「餅」は暮の季語なので残念ながら入れられません。そこで代わりにお餅のような子供たちの顔を火照らせました。

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