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那谷寺(なたでら)

石川県小松にある那谷寺の名前は西国三十三所巡りの一番所の那智と最後の谷汲の頭を取って付けられたと言うことです。花山上皇がこの寺に来て、ここは西国三十三所の全てを凝縮していると言われたことから岩屋寺を那谷寺に変えたそうです。古くから白山信仰の聖地でもあり、本殿にある洞窟の中には千手観音が祀ってあります。

「石山の石より白き秋の風」と松尾芭蕉が詠った場所でもあり、巨岩奇岩が人を圧倒しています。その岩より白き秋の風って言うことは透みきった尊いばかりの風だったのでしょう。

那谷寺や秋澄む石に頭垂れ(季語:あきすむ:三秋)

那谷寺の巨岩が三つ並んだ三尊石を見ていたら気持ち良い風が吹いて来て思わず手を合わせなくなった心境をそのまま詠いました。

那谷寺や色なき風も巡りけり(季語:いろなきかぜ:三秋)

三尊石の前には池が広がり大きな空間となっていますが、風も三尊石に行く手を遮られて奇岩巡りの道に流れているようでした。

秋の色奇岩続きて首の凝り(季語:あきのいろ:三秋)

千手観音は洞窟と一体になった本堂にいらっしゃいます。そしてこの階段は展望台まで続いています。那谷寺は奇岩がずっと並んでいて眺めているうちに首が痛くなるので要注意です。

秋湿り仏のいます洞静か(季語:あきじめり:三秋)

階段の奥にも立ち入り禁止の洞窟がありましが、全てを受け入れてくれる観音様がいてもおかしくない雰囲気がそこにもありました。

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