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アラジンの不思議なランプ

今日、散歩に出かけたら川沿いにこんな綺麗な桜が咲いていました。愛媛県新居浜の明正寺が発祥の明正寺桜と言うそうです。ちょうど今が満開でラッキーな一日となりました。

明正寺桜

さて、今回の絵はランプです。
昔からアラジンの不思議なランプはこんな形をしていますね。でもよく考えてみるとなんでこれが照明器具のランプの形なんでしょうか?

実際に灯しているところを見た訳ではないのですが、これはオイルランプの一種でお茶の代わりに油を入れる急須みたいなものです。ではどうして急須が灯りになるかというと、注ぎ口のところから芯を出して、その先っぽに火をつけるんです。火は剥き出しなので危ないと言えば危ないですね。そう言えば日本では昔、小皿に油を入れて芯の先を外に出して灯りにしていましたね。皿の方が揮発しやすいのでもっと危なかったかも知れませんね。

ハーレムの絨毯の色血に似たり(じゅうたん:三冬)

アラビアンナイトはアラブの王様の物語ですが、実際にはアラブはオスマン帝国に支配されていた時期が長くイスタンブールにある宮殿には女性を侍らせたハーレムの部屋がちゃんとあって現在でも見学することが出来ます。第一次世界大戦の後、一時的にトルコの国が三カ国に分与され国そのものがなくなったこともありましたが、そんな悲しい歴史もまた宮殿は見て来たのですね。

陽炎や宮殿の壁融かしけり(かげろう:三春)

トルコは結構暑い日も多いですが、そんな日に陽炎に揺れる宮殿を見た様子を詠ってみました。第一次世界大戦で徹底的にやられるまでのトルコはある意味ヨーロッパの先進大国だったと行っても過言ではありません。残念ながら今では陽炎のように大国の面影はなくなってしまいました。

たまねぎの屋根に尖塔春夕焼け(はるゆやけ:三春)

天を突くモスクの尖塔春夕焼(同)

イスラム寺院(モスク)には柱のない大きなドームの建物があってそこが礼拝堂になっています。がらんとした内部には祭壇もなく幾何学的な模様があるだけです。イスラム教はユダヤ教と同じで偶像を拝んではいけないのですね。そのドームの建物の横にはミナレットと呼ばれる尖塔がたっています。イスタンブールのアヤ・ソフィアは夕日を背景にとても美しい姿を見せていました。私の心に残る風景の一つです。
玉葱は夏の季語ですが、ここは比喩なので季語は飽くまで春夕焼けです。
ここで「たまねぎの屋根」は「工夫がない」との指摘を頂き急遽たまねぎをなくし尖塔に一本化しました。

ひざまづきコーランの音流る春(はる:三春)

大きなドームの礼拝堂には人が一杯いて皆ひざまずきメッカの方向を向いて拝んでいます。常にコーランの朗読のような音が流れていて、その音は街中に響き渡っていました。この朗読は正確にはコーランではなく、礼拝を呼びかけるアザーンというもので音楽でもないのですね。俳句ではアザーンと言ってもわからないのでコーランにしました。

アラジンの不思議なランプ




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