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六道珍皇寺

この不思議な名前のお寺には小野篁(たかむら)が冥土との間を往き来していたと言う井戸があります。蛇足ですが、小野小町は小野篁の孫と言う説もあるそうです。
すぐ近くに鳥部野と言う焼き場があるので冥土につながる井戸にちょっとリアル感がありますね。

朧月幽霊子育飴甘し(季語:おぼろづき:三春)

その昔妊婦が埋葬された後、近くの飴屋に毎晩飴を買いに来る女性がいました。墓から赤ん坊が見つかり人の手で育てられるとその女性はもう飴屋に来なくなったそうです。六道の辻の近くには「みなとや」と言う幽霊子育飴本舗があり今でもこの飴を売っています。

宵宮の縁切り神社列絶えず(季語:よいみや:三夏)

六道珍皇寺の北側にある安井金比羅宮は縁切り神社として有名です。最近は悪い縁を切り良い縁を結べることから女性を中心に人気スポットになっています。何故金比羅宮かと言うとこの神社でお祀りしている崇徳天皇が讃岐に流された際、金比羅宮に籠っていたからだそうです。

六道に灯りの続く盂蘭盆会(季語:うらぼんえ:初秋)

京都のお盆は六道まいりで始まります。ご精霊(しょうらい)迎えとも呼ばれ祖先をお迎えする為に、冥土との境である六道珍皇寺までお参りするのです。御祖先様は必ずお寺の前の六道の辻を通ってそれぞれの家に帰ります。

六波羅密寺天狼の輝いて(季語:てんろう:三冬)

六道珍皇寺の近くに六波羅蜜寺と言う寺があります。波羅蜜とは悟りをひらく為の修行で六つあります。そう言えば六波羅探題もこの辺りにありましたが、元はと言えば平氏の邸宅がこの辺り一面にあって、平安時代、六波羅は高級住宅地だったとも言えますね。
ちなみに季語の天狼はシリウスと言う星の名前です。

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