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コアラ

コアラを見たのは今から43年前シドニーでのことです。その頃まだ日本の動物園にコアラはいませんでした。シドニーからメルボルンに転勤になって少したったころ始めて日本の動物園にコアラが行くことになり日本はコアラの大ブームになったことをよく覚えています。オーストラリアにはこんなにいるのになあと思ったものです。

当時、観光客のオーストラリア土産はコアラの人形とカラスミが定番でした。なぜカラスミかと言うと私が豪州に行く前の話ですが、ボラの卵巣は全部捨てられていたそうです。現地の日本人が食べるようになるとスーパーでも売られるようになり、徐々に値段も上がって来ました。それでも日本や台湾産と比べると圧倒的に安かったので日本人観光客が大量に買い求めていました。まあ駐在員がおすすめしたこともそれに拍車をかけました。

コアラの話に戻りますが、コアラは英語でコアラベアと呼ばれますがクマではありません。英国人が現地で呼ばれていたコアラが熊に見えたことからそう呼んだそうです。現地語でコアラは「水を飲まない」という意味だと教えてもらいましたが、これも正しくはないみたいです。

春光や抱きしコアラの爪こわし(しゅんこう:三春)

クィーンズランドのコアラ園ではコアラを抱くことが出来ましたが、爪が鋭そうに見えて怖わ怖わ抱っこしたことを覚えています。私の子供はまだまだコアラくらいの大きさでしたが、豪州人の子供達はみなきゃ〜きゃ〜いいながら平気で抱っこしているので少し恥ずかしかったですね。ちなみにコアラの体温は36度くらいで人間と同じです。尚、NSW州やヴィクトリア州ではコアラを抱っこさせることは禁止されています。

春日和ひねもす昼寝のコアラかな(はるびより:三春)

コアラはユーカリの葉しか食べないと言われています。ユーカリには毒素があり余り他の動物は食べないらしいのですが、コアラは胃の中でユーカリの葉を発酵させて毒素を分解することが出来るそうです。当時ユーカリの毒素が眠り薬のように効いてコアラはいつも寝ているのだと説明を受けましたが、実はそんなことはないようです。

春昼や子抱くコアラの無表情(しゅんちゅう:三春)

コアラは1か月くらいの妊娠期間しかなくて、生まれた時は1グラムもなく、半年ほどはお母さんの袋の中で育ちます。意外と知られていませんがコアラの子育て袋は入り口が下向きになっていて生まれると自分で母親の袋に入るそうです。離乳食は母親の緑のうんちでそれを肛門から食べるのにも便利に出来ているのですね。
そんな訳でカンガルーとは違い、お腹から顔を出す姿は見たことがありません。でもお腹や背中にぶら下がっている姿は見かけたことがありますね。それにしてもコアラは子供をぶら下げてもほとんど無表情ですね。

ガニ股のコアラよたよた春日射す(はるひ:三春)

コアラは一日中、殆ど木にしがみついていますが、時折木を下り別の木まで歩くことがあります。ガニ股で歩くコアラの姿は日本でも有名になった襟巻きトカゲと同じように滑稽でよく覚えています。


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