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高き値に目玉飛び出る八つ目肝

キゴサイを眺めていたら冬の季語に八目鰻がありました。あれれ!うなぎは夏の季語のはずなのに!なんで八目鰻は冬なんだろう? 実は八目鰻はうなぎではないのですね。それどころか狭義の魚ですらないのです。形はうなぎに似ていますが、口に顎がなくて口を開けると丸い穴の中に牙のようなものが無数にあってまるで吸血鬼のようです。背びれが2つある代わりに胸や腹にはヒレはありません。その為、静止するとバランスが崩れるので丸い口を吸盤にして岩などに吸い付きます。目の横に7つの穴があるので八つ目と呼ばれていますが、この7つの穴はエラの役割をする穴だそうです。ちなみにドイツでは目と鼻の穴と合わせて9つなので「九つ目」と言うそうです。

八目鰻は栄養豊富で特にビタミンAが多く含まれていて一般的には滋養強壮や鳥目に効くと言われています。身はうなぎより固く、ぶりぶりしているようで、食べればうなぎと間違えることはないようです。でも漢字名は江戸時代には鱧(はも)と書かれたり魚ヘンに單(うつぼ)と書かれたりだいぶ混乱があったようです。確かにはもうつぼもよく似ていますからね。楽天で八目鰻と検索するとドライアイに効くとして「八目鰻の肝の油」という商品が出てきますが、アマゾンで検索すると普通のうなぎばかりが出て来ました。

さて今日の絵は始めに八目鰻だけを描いたのですが、全く面白くないので女性が水族館で八目鰻を覗いている姿にしました。特にモデルとなる女性はいません。何も見ないで描いたので飽くまでも想像上の水族館女子です。でも八目鰻は水中で静止することが出来ないので普通は岩や水槽のガラスに吸い付いています。なのでこの絵は八目鰻が泳いでいるという珍しい様子です。(でも、くねくねと泳ぐので、こんなに真っ直ぐの状態で泳ぐことはないですね。多分くたびれて死にそうな八目です。)

川八つ目鳥目に効くと人の言い

高きに目玉飛び出る八つ目肝

目のいくつあろうが無縁寒八つ目

令和5年1月の5句

四人目の孫の顔見るお正月
孫たちを見守る小さき鏡餅
ゆっくりと明けゆく里よ寒の入り
名人を唸らず童顔初句会
湯気立ちぬ珈琲両手で日向ぼこ

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