見出し画像

朝ぼらけ山茶花の垣光りおり

今日は冬の花、山茶花です。冬の季語だし、寒いところの木かと思ったら意外にも西日本の温暖地域とか台湾・中国でしか自生しないのです。でも横浜の家にも山茶花の垣根があったし、山茶花なんて割と日本中にある感じがします。冬の季語なのは冬に花が咲くからということで良く分かりますが、何処でも見られるようになったのは何故かと言うと、温暖な地に咲いていた山茶花を寒いところでも育つように品種改良したからなんですね。その山茶花が数少ない冬の花として日本中で人気になりました。

そう言えば「さざんか、さざんか、咲いた道、焚き火だ、焚き火だ、落ち葉焚き」という童謡がありますね。この落ち葉焚きは「焚き火」の歌詞を作った巽聖歌さんの家があった東京・中野区の風景らしいです。太平洋戦争が開始された翌日の12月9日に初めてラジオで放送されると軍当局から焚き火は敵の攻撃目標になるといちゃもんがつきすぐに放送禁止となったそうです。戦争が終わり日本が平和になった昭和24年に「うたのおばさん」で放送されると一気に人気が出て音楽の教科書にも採用されることになりました。すると今度は消防庁から街角の焚き火は危険だと横槍が入りました。それでも当時の文部省は喧嘩をせず、教科書の焚き火の絵の横に必ず防火バケツを描くということで対応しました。これこそ平和日本の姿なのかも知れませんね。

山茶花と言う字は中国後の椿を意味する「山茶」に花が付いたもので「サンサカ」「サンザカ」が訛って「サザンカ」となったと言うことです。「ほんまかいな」ですが、いずれにしても山茶花は椿の仲間ということで、確かに見た目はよく似ています。でも実は山茶花と椿を簡単に見分ける方法があるんです。椿の花は花全体がぽこっと一気に落ちますが、山茶花の花は花びらが徐々に落ちて行くのですぐ分かります。う〜ん、でも花が落ちるのを待たないとわからないのか〜。いやいや椿の花は一回り大きいので落ちなくても分かりますよね。

朝ぼらけ山茶花のかき光りおり

冬の朝、新聞を取りに外へ出ると遅めの朝が明け、山茶花の垣根がきらりと光っていました。さあ今日も元気だ!タバコがうまい!なんてことは言っていません。

山茶花や一息つきし急階段

神社に続く急な階段の途中で一休み。息も白くなるほどの寒い朝です。でも山茶花の花があと少しですよ、頑張りなさいと応援してくれているようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?