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給食のパン屑餌の諸子釣り

今日の絵はもろこの佃煮です。でも狙いは透明のプラスチックをどう描くかでした。机の模様を透かして描くことでその存在を表そうとしましたが、わざとらしい感じになってしまいました。本諸子(ホンモロコ)はもともと琵琶湖にしかいない固有種ですが、近年では山中湖、奥多摩湖、諏訪湖にも移植されているようです。20世紀の終わり頃から以前は年間350トンは獲れていた琵琶湖の本諸子が10トンくらいしか獲れないようになりました。ついに年間5トンまで落ち込んだところで色々対策が打たれ稚魚の放流により令和になると30トン超まで回復していますが、それでも昔の1割程度です。その代わりに埼玉、山梨、広島、岐阜などで本諸子の養殖が始まりますが、まだまだ生産量は少なく、小さいながら高級魚扱いになっています。

中でも埼玉県は年間20トンと養殖モコロ日本一の県になっています。1999年埼玉の水産研究所が地元のナマズやうなぎの養殖業者に養殖指導をしたことから広まったらしいのですが、何故、埼玉かと言うと昔は埼玉や東京では「クチボソ」と言う小魚がよく獲れて、煮付けや甘露煮で食べる習慣があったからなのですね。それが工業化・宅地化とともに獲れなくなり、クチボソに代わる川魚料理としてモロコが注目されたらしいのです。今では全国でモロコの養殖が注目され、休耕田や廃校のプールを利用したりして町おこしに利用するなどちょっとしたモロコブームのようです。なんと個人用にモロコ養殖キットまで売られています。水槽で育て鑑賞しながら一部を残して食用に出来るので循環型生活の一部になりそうです。でも稚魚300匹が水槽とセットで5万円近いので循環型生活も結構お値段は高くつきそうです。

パン屑で「洗足池の諸子」釣り

小学生の頃、洗足池でよくクチボソ釣りをしていました。餌はなんと給食の時に取っておいたパン屑です。よくもまあ!あんな餌で魚が獲れたものです。昔はクチボソも食糧難だったのですかね。でもこの句の「洗足池の諸子」は実は諸子ではないので季語の乱用ですね。

給食のパン屑餌の諸子釣り

句友から給食の残り物のパン屑を入れると情景がよりはっきり浮かぶのではとのコメントがあり納得!早速「洗足池の諸子」を止めて本来の季語で作って見ました。池は無くなりますがもともと諸子だけで十分ですね。俳句では少しのフィクションはオーケーと言うことなので琵琶湖の近くの小学生になりきりました。

朝獲れし諸子老舗の昼御飯

琵琶湖の湖畔にある老舗料理屋では昔から新鮮な諸子を焼いて出してくれていたのでしょうね。お昼のご飯が進みそうです。

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