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昔ならかき菜炒めで飯二杯

キゴサイ歳時記を見ていたら「茎立菜・くきたちな」という季語が出て来ました。聞いたことがなかったのですが、アブラナ科の菜っぱで菜の花の一種だとありました。でもこの名は新潟や山形などの雪国限定の菜花なばなのようで雪の下で育った菜花を春先の茎が立った頃に食べるので茎立菜だそうです。同じような菜花でも栃木では「かき菜」と呼ばれています。どうして「かき菜」と呼ばれるかと言うと芯をおっかいて(折って)食べるからです。つまり「おっかき菜」です。埼玉や東京西郊では「のらぼう菜」と呼ばれていますが、皆少しずつ味が違ったり大きさが違うようで仲間と言った方がいいのかも知れません。歳時記の子季語には「折菜」とか「晩菜」がありました。折菜はおっかき菜に近い感じがします。でも「晩菜」が分からず調べてみると東北の茎立菜が北海道に渡り「晩菜・おくな」と呼ばれるようになったみたいです。でもこの漢字で検索すると「お晩菜・おばんざい」がたくさん出て来ました。

京都に移ってからよく食べるようになった野菜の一つに水菜があります。関西では京都原産なので京菜とも呼ぶみたいですが、地元京都では上品に花菜と書いたスーパーもあります。更に地域が限られた菜花としては水菜とカブの交配で出来た壬生菜みぶなという菜花があります。壬生と言えば新選組が一時期逗留していたことで知られるとても小さな地域です。地域限定と言えばの賀茂地区の「すぐき菜」もアブラナ科ですが、すぐき菜となるとかなりカブに近くなり、菜花のイメージから少し離れます。でもアブラナ科の植物にはカブや大根、小松菜を始め、キャベツや白菜、青梗菜まで含まれるのですぐき菜もアブラナ科になります。アブラナ科恐るべしと言うしかないですね。ちなみに、菜花とよく似てはいますが、ほうれん草はアブラナ科ではなくヒユ科、菊菜や春菊はもちろんキク科です。

昔ならかき菜炒めで飯二杯

若い頃は栃木に帰るとどんぶりのように大きな茶碗でハムとかき菜の炒めものをかっこんでいましたね。いくら食べても太らない自信があったのですが、今では夜は白飯抜きのダイエット食です。

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