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2020年に観た大好きな映画20本

去年まで年間10数本ペースでしか映画を観ていなかった私ですが、今年は配信、映画館、テレビ放送で延べ115本の映画を観ました。逆に150本以上観に行っていたライブは30本に減りました。大好きなミュージシャンのパフォーマンスを生で観て現場で友人と語らうことは激減してしまいましたが、その代わりに映画をいくつも観ては毎週zoomで感想を語り合った2020年。ハズレを引いてしまっても、「この描写がどうしても納得いかなくてさー!」なんて聞いてもらってモヤモヤを昇華させてもらいました。以下、新旧含め今年初めて観た映画の中から大好きな20本です。


1位 おいしい家族(2019)

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2年ぶりに実家に帰ったら父が亡くなった母の服を着て暮らしていて、知らない同居人の子持ち男性と結婚すると言いはじめる。父は高校の校長先生で、島の人達は皆それ(女装)を当たり前のように受け入れている。そんなユートピアみたいな環境で娘役の主人公だけが受け入れられずに反発し、悩み、もがく話。LGBTQやダイバーシティへの理解が少しずつ浸透してきた中で、ひそかにいるはずの「私はどうしても受け入れられない」という人すらも優しくすくい取っていくあたたかい物語で、こんなふうに時代の1歩先をいく映画が2019年の日本で作られていたのかと心から感動しました。しかも板尾さんの飄々とした演技は素晴らしいし、松本穂香さんのコメディエンヌとしてのセンスが冴え渡っていてずっと面白い。陽気で楽しいルックを貫いてこのテーマを撮りきったふくだ監督すごいです。見事な長編デビュー。

ベテランの本多俊之さんが手掛けている音楽も軽快で好きなんです。20代のふくだ監督と60代の本多さん。かつて本多さんが20代だった頃に60代の伊丹十三監督のもとで「マルサの女」などの音楽を担当していた経験があったそうで、逆の年齢差のふくだ監督からのオファーが嬉しく、「若い世代に何かをお返しする時期が来たのかなって思った」ってエピソードも大好きです。

このペースで書いていると年をまたいでしまうのでここから感想は一言ずつにします。


2位 パラサイト 半地下の家族(2020)

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年明けの金曜ロードSHOW!での地上波ノーカット放送、時計回りのくだりをそのまま流すのか、注目です。


3位 葛城事件(2016)

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観ている間ずっと胸糞悪くて、ずっと怖くて、ずっとワクワクしてました。メンタルが弱ってないときに観てください。


4位 朝が来る(2020)

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河瀬直美監督にしか撮れない役積みの手法で、劇映画とドキュメンタリーの境を無くしたようなとてつもない映画でした。2021年は蒔田彩珠さんの年になる。


5位 アルプススタンドのはしの方(2020)

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自分もこのはしの方にいた生徒たちみたいにこの映画に対して斜に構えて観ていたはずなのに、終盤にはまんまと拳を握りしめて「頑張れ!!!絶対あいつに打席を回すんだ!!!」って気持ちに変わっていました。からのラストへの流れ、素晴らしかったです。


6位 スウィング・キッズ(2020)

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もともとジャンルとして戦争映画が得意では無いのですが、華やかなタップダンスと陽気なスウィングでウキウキしながら観ました。でもしっかり戦争映画でした。


7位 ジョジョ・ラビット(2020)

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もともとジャンルとして戦争映画が得意では無いのですが、スカーレット・ヨハンソン演じる母の愛に胸を打たれました。ラスト、嗚咽を必死にこらえて泣きました。


8位 君が世界のはじまり(2020)

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でっかい白パーカーを着て冷凍のチャーハンを美味しそうに食べる松本穂香のシーンと、酔っぱらいのスナックの客の顔面に泣きながら全力でたこ焼きを投げつける中田青渚のシーンが大好きです。


9位 なぜ君は総理大臣になれないのか(2020)

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小川淳也という国会議員が民主党から初出馬した2003年から、17年間に渡って密着したドキュメンタリー。2003年当時、選挙戦が忙しくて祖父母の家に預けられるのを嫌がって泣いていた2人の娘が、2017年には「娘です」と書かれたたすきを掛けて父とともに街頭でビラを配る姿を観てほしい。


10位 薬の神じゃない!(2020)

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中国で買うと1瓶数十万円する正規品の1/20の価格の白血病のジェネリック薬を、強壮剤屋の店主がインドから密輸して売り捌く話。クライムコメディとしての痛快さとヒューマンドラマとしてのあたたかさのバランスが絶妙でした。


11位 のぼる小寺さん(2020)

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アトロクのリスナー枠に送って採用してもらったくらい大好きな映画で、本当ならベスト10に入れたかったのですが、結末だけがどうにも受け入れ難くてこの順位に。でもあのシーンだって小寺さんは決して「見て」は無いんですよねってことで自分を納得させています。


12位 WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜(2014)

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思い返せば気持ちがめちゃくちゃ弱っていた4月下旬に観て、とにかく元気になった作品。フレームの奥から手前に走ってきて軽トラに飛び乗る伊藤英明が最高でした。


13位 初恋(2020)

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ベッキーがとにかく素晴らしいの一言に尽きる。黒塗りの車からバールを持って降りてくるベッキーの目に宿る殺意。屈指の名シーンでした。


14位 ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2018)

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WOOD JOB!と同じく、まだ映画館に行けなかった頃に家で観て鬱々とした気持ちを吹き飛ばしてくれた1本。ジュマンジとスカイスクレイパーを観てドウェイン・ジョンソンの魅力に今更ながら気づけました。「ジャングル・クルーズ」も楽しみです。


15位 37セカンズ(2020)

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テレ東佐久間さんの「いわゆるお涙頂戴的な障害者ものじゃないから」というレコメンドを信じて観に行ってよかった。HIKARI監督が新作を撮ったらまた絶対に観に行きます。


16位 ミセス・ノイズィ(2020)

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過去にあった騒音おばさんの一連の騒動から着想を得たフィクション。メディアの報じ方やSNSの恐ろしさに真に肉薄していないという指摘も見かけたのですが、私はその環境下で絶望的な状況からあの落とし所に持っていったのは見事だと思いました。それにしても今年は新津ちせが不憫な映画が多すぎた気がします。


17位 見えない目撃者(2019)

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吉岡里帆の役者としての凄みを初めてちゃんと知りました。ゴア描写得意じゃないからけっこう強烈でしたが、最後までハラハラしながら楽しんで観ました。


18位 エクストリーム・ジョブ(2020)

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こんなに面白い映画を作った制作陣が手掛ける最新作!って謳われてた「シークレット・ジョブ」が今年のワースト3に入るひどい出来だったうえに、よく調べたら制作会社が同じなだけで監督も脚本も全然違ったの許さないぞ。「エクストリーム・ジョブ」はほんとに最高でした。


19位 もち(2020)

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一生忘れがたい映画体験でした。今後どんな青春映画を観ても、この映画を観た時のときめきを上回ることはないと思います。


20位 私をくいとめて(2020)

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THE Wを制した吉住さんが登場するシーンがめちゃくちゃ好きでした。「勝手にふるえてろ」と比べると少し話がとっちらかったような印象でしたが、日が経つにつれてのんちゃんの良かったシーンばかり思い出してしまいます。橋本愛との共演シーンで「燃ゆる女の肖像」を思い出してドキドキしました。


1位 おいしい家族
2位 パラサイト 半地下の家族
3位 葛城事件
4位 朝が来る
5位 アルプススタンドのはしの方
6位 スウィング・キッズ
7位 ジョジョ・ラビット
8位 君が世界のはじまり
9位 なぜ君は総理大臣になれないのか
10位 薬の神じゃない!
11位 のぼる小寺さん
12位 WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜
13位 初恋
14位 ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル
15位 37セカンズ
16位 ミセス・ノイズィ
17位 見えない目撃者
18位 エクストリーム・ジョブ
19位 もち
20位 私をくいとめて

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