占いライティング講師として、コピペと盗用問題について
わたしは占いライターで、児童文学作家でもあり、これまで占いライティング講座の講師も務めてきました。
読むことも書くことも大好きです。
魂込めて書く言葉の重みを、身をもって知っています。
ライティング講座では、ただ文章の書き方を教えるだけでなく、自分の文章に責任を持つことの大事さをお伝えしてきました。
自分の文章に責任を持つ、とはどういうことでしょうか。自分の意思で発信する大事さという意味では、文章だけでなく当然、しゃべりも含まれます。
が、しゃべりは(録音しなければ)語るそばから消えていきますが、文章は証拠として残ります。
中でも占いの文章は必ず、「誰かに向けて」書かれています。
誰かに向けて何かしらの内容を発信する、その重要さを、講座ではくりかえしお伝えしているのです。
たとえば牡羊座の性格について「あなたは短気な人です」と書くとき。
見知らぬ牡羊座生まれの誰かに対して(わたしよりはるかに年上の方も、未来豊かなお子さんも、男性も女性もいろんな方がいるはずです)、そう告げる傲慢さと怖さを、わたしはいつも書きながら感じています。
確かに牡羊座さんには、短気になりやすい性質があるとされます。けれどそれは勇敢さやスピード感の裏返しでもあり、実際に文章として書く場合は、受け取る相手が、自分自身の性格を誇りに思えるように、欠点をも愛せるように、細心の注意をはらって、言葉をひとつひとつ選んで、試行錯誤しながら、削ったり足したり何度も直しながら、書き上げていきます。
占い業界でライティングされている多くの占い師さんが同じように、七転八倒しながら書いています。
そうして書き上げられた文章を、間違っても、どんなことがあっても、コピペや盗用はできません。
ライティング講座で、「同じ単語を使ったらコピペと思われないでしょうか」と聞かれることがあります。牡羊座は「短気」や「勇敢」などの単語で、昔から説明されてきました。牡羊座の性格自体が、書く人によって変わってしまったら困ります。みんなが同じ牡羊座を描写しているのですから、誰が書いても同じような単語が並ぶことになります。
毎月の運勢も同様に、星の動きは誰が見ても一緒ですし、「星座」や「角度」という占星術の単語も、共通です。
占いライティングをする人は、同じような単語を使って書きます。それを読んで、「どこかで拾った文のコピペ?」と思ってしまう人もいるかもしれません。
けれど、コピペしたもの(たとえ一部変更しても)と、自分の中から自分の言葉で紡ぎ出した文章は、まるで違います。
たとえば、絵なら元絵のメイドさんをトレースして、色や服の飾りだけを変えたものと、メイドさんらしい服装の人物を自分でイメージして描いたものと。どちらもブラウスにフリルエプロンを着けているかもしれませんが、重ねてみれば、その違いは明白でしょう。フリルエプロンだからコピー!とはなりません。
AIの使用に関しては、今後はAI占いも増えていくでしょうし、否定はしませんが、現時点ではまだまだ使えないと感じています。わたし自身は執筆にAIは使っておりません。
毎月の占いや、占いのコラムや、占いの投稿を、楽しみに読んでくださっている方も多いと思います。
そういう方々に届けるために、読んでくださる一瞬のために、わたしたち書き手は一字一字、命をかけて書いています。これまでも、これからも。
占いの文章を、楽しんでいただけますように。
書き手として、もっともっと精進してまいります。
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