娘の第六感

外は初雪。部屋の中にいても、鬱々どんよりした雪ぐもに押しつぶされそうな気分。窓から見る雪景色は嫌いじゃないんだけど。

そんななか、


「ねえ、気分が悪いから今日休んでいい?」


と、珍しく通学途中の娘から電話。

もしかすると、家を出た直後は降ってなかった雪が、帰りはひどくなって電車が止まったりするのかな。

そう思って、とんぼ返りを許可したけれど、


「ここからどうやって戻ったらいいのかな」


そうか、家の最寄駅⇄学校の最寄駅というルートは視覚的にしっかり頭にはいっているけれど、途中下車してしまうとわからなくなるんだな。

そこで、時間はかかるけど、一旦そのまま学校の最寄りまで着いてから、改札出ずに帰ってくるように言い渡した。


「わかったー」


娘は素直に従って、学校の最寄駅でとんぼ返り。約2時間半の電車の旅を終えて帰ってきた。普通なら、というか私だったら、「なんて無駄な時間を過ごしたんだ(涙)」て絶対になるけど、ニコニコ超ご機嫌で帰ってきた娘。ほんまに気分悪いんか⁈てなぐらいの感じ。でもそのおかげで、普段なかなかできない用事がさっさと片付けられたし、私にとっては(いや、夕方ひどくなる降雪を見るに娘にとっても)いい予定不調和となった。


自分にとっては思い通りにならなかったことが、他の誰かにいい流れを作るって、案外たくさんあるのかもしれない。何か想定外のことが起きた時、その向こうを想像するのもなんか楽しいかも、と思った。


「え、そんな落ち方する?冬仕様なん?」
(椿みたいに一瞬でボトボトボトって落ちた薔薇の花弁。)
(残された花びらも椿の蕾みたいやし。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?