鑑賞記録:「あのこは貴族」

はじめに

「あのこは貴族」の感想です。

感想

「悪い企業には入りたくない」「下の大学には入りたくない」「下位にはなりたくない」「人より上にいたい」…と自分から考えがちだし、周りもそんな考え方をしている。というか、そんな考え方が推奨されている社会になっている気がする。加えて親ガチャなんて言葉もあって、元から上の立場にいる人を羨むときもある。金持ちの子供は楽出来ていいなぁ。
けれど、この作品を観ていると本当にそうか?と思わされる部分がいくつもある。
もう最初のシーンからそう思わされた。親族から婚約者と別れたことについて色々と言われる華子。一族にとって子供の結婚が一大事なの、重圧すぎる。家柄とか言われてたし。あと華子のお姉さんの旦那って婿入り的な感じなのかな。肩身狭そうな雰囲気が出ていた。
小さい時からずっと慶應なのも自分的には閉塞感というか、世間の狭さを感じる。華子がどこか別の大学に行っていたらあんなに世間知らずのお嬢様~にはならなかったと思う。
しかも華子、さらに階層が上っぽい家に嫁ぐ。両親に会いに行くシーンとか葬式のシーンで華子の感情の揺れが感じられた。でもその環境に適応しようとしているのは何だかさすがだな…と思わされた。

美紀、コミュ力めっちゃあるくない?ってなった。初対面の人に話しかけられるし。何だかんだどこでもやっていけそうな感じ。幸一郎にも「お客さんにノート貸しましたよね」みたいなこと言えちゃう。それと美紀に関して、アフタヌーンティーのシーンで「貴族や…」って言っていたのには共感するところがあった。春休みに銀座のカフェに行った時、「このパスタの量で1000円!?」って驚いたもん。あれはぼったくり。でも「それが当たり前」の人たちもいるんだと思う。スッと展示のチケット差し出せる層にとってはちょっとの金額なのかもしれない。
もう華子は美紀と二人でシェアハウスしたらいいんじゃないかな(迷案)。たまに二人で激長距離を歩いて帰宅してほしい。通行人に皇室みたいな手の振り方をする華子…。それで美紀の家に美紀があるように、華子にも「華子」を作っていってほしい。

そういえば、タクシーを全身で引き留める華子が可愛かった。それくらい華子があのタイプの男慣れしてないんだろうけれど…。幸一郎みたいな落ち着いたタイプがデフォなんだろう、というか多分あの調子なら親とかにこんな男の子からは逃げなさいとか言われていると思う。いや、初めて会った階層の人なのかもしれない。
自分(桐田)の中の東京ってトー横のイメージが強いけれど、そっかこういう東京を過ごす人もいるよな…って思った。
なんか階層関連の話中心に書こうとして全然書けてないしだんだん感想が迷走してきた…

なので一番心に残ったシーンをそろそろ書こう

一番心に残ったところと言えばやっぱり華子がトマトを育てようとするところ。自分の意志で踏み出しはじめた=トマトを育てようかなと幸一郎に話した華子に対して「買えばいい」とか言う幸一郎がな~。観ていて悲しくなった。確かにそれはそうなんだけど、夫婦にしては共同作業が少なくないか?仮面夫婦感ありすぎないか?もっとこう、一緒に何かしてほしい…。幸一郎は「家のために」の考え方が強いのかな、と思ったり。自分のしたいことが彼にあったとしても最終的に家とかに繋がっていくんだろうな。←これは華子もそんなとこあるよね
ちなみにこの二人に関しては印象に残っているところがもう一つあって、ラスト二人がまた会うところなんですけど…。幸一郎って大事な時に雨が降るそうじゃないですか。会った日、晴れてるじゃないですか。演奏会への挨拶回り(?) は幸一郎にとっては大事でもなんでもなく日常の一コマってことなんですか…!?華子はドキドキして演奏会を見守っていたじゃないですか…! 華子はマネージャーだから大事な演奏会だけど、幸一郎はただ選挙地区内で開催される演奏会ってノリなのかも

おわり

というわけで、「あのこは貴族」鑑賞記録でした。同じ東京でも、一人一人違う世界があって、一人一人違う日々を送っているのかもしれませんね。

謝辞

「あのこは貴族」の話をしてくれた某ゼミ後輩へ心からの感謝。というか謝辞いつも通り書いた後にこのリンクを返信として送るの思い出した。桐田(ユザネ)は恥ずかしいです。どうか引かないでいただいて…。
P.S.「ひとよ」も観たよ。

リンク


#映画記録 #桐田

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