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ダナオスの2021年2Qを終えて

去年から期待していたダナオスですが、無事2Q決算を終える事ができました。

このタイミングで海運の今後がどうなるか自分なりの予測をしたいと思います。(かなりのポジトークです。お嫌いな方はバックした方がいいかも?)

まずタンカー系銘柄ですが、これは正直わかりません。見なければいけないポイントが海運銘柄とずれているのであまり海運というくくりで見るのも難しいというのが原因です。興味ある方は原油価格あたりをみてください。原油価格安くなる→量が増える→タンカー銘柄上がるかも?って流れです。

次にバルク船銘柄ですが、これはBDI(バルチック海運指数)と基本的に連動しています。感覚的に高止まりしている印象ですし、素材系が思ったより増加していないのであまり年内は伸びないのではないかと思っています。あと素材系で中国の影響をかなり受けますので、現状の中国の情勢を考えると私はあまりがっつりは入りたくないって状況です。

最後にコンテナ銘柄ですが、ここが私の本丸です。一次広めに構えていた海運銘柄ももう本丸しか残していない状態です。昨今のコンテナ関係の情報だけ取得しますと、

①Maersk、COSCO等大手企業の新造船ニュースが出回り出した。新造船ニュースでどこが世界最大かわからなくなってきそうです。実際トップ3はおそらく変わらないですが💦ただ新造船がかなり大型化しています。東アジア北米西海岸中心に考えると大きい事が不利にはならないのでいいか。(スエズ、パナマ通る必要なし)

②日本海運御三家のうち商戦三井が配当金150円→550円に変更。これはPER2倍ですし、配当額がまだ10%弱ぐらいですからまだまだ伸び代がありそうです。こうなった理由は同じくコンテナオペレーターのONE(御三家で共同出資)の業績が好調すぎるっていうのもあります。この後明日8月4日(水)には日本郵船の決算発表の予定もありますし、ここ数日かなり伸びましたがそれでも川崎はまだPER2倍ぐらいなのでまだまだ期待がもてます。→日本郵船、川崎とも決算発表問題無し。日本郵船は配当が1株あたり700円とかなりの配当です。川崎は後日発表との事ですが、財務が前2社と比べてあまりよくないので、そこまでの配当は出さないと思います。ここで大事なのが通期での予算を上方修正したって事です。これはかなり大きい情報です。

以上の事から私もIPO後2Qまでかな?と思っていた $ZIM もまだまだ3Qも戦えそうな状況になってきていると思っています。ただハーペックス海運指数(傭船料)も高止まりにならなくずっと上がり続けている事もあり、まだまだオーナー企業は上を目指せると思っています。私は「コンテナオーナーオンリー企業」の $DAC を引き続き推していく事になりそうです。色々な指数を見ていますがここが一番安心安全に自信を持ってホールドできそうです。

ちなみに物流の運賃関係が上がっていますので、マクロでみると個人的には生産系を中心に少しかもしれませんがインフレに影響は与えていると思います。


次にDACの決算情報です。(★は決算資料より引用)

★2021年6月30日までの3ヶ月間の調整後純利益は6,890万ドル(1株当たり3.34ドル)

★2020年6月30日までの3ヶ月間の4,250万ドル(1株当たり1.71ドル)は62.1%増加

★2020年6月30日までの6ヶ月間の調整後純利益は1億2,690万ドル(1株当たり6.17ドル)

★2020年6月30日までの6ヶ月間の1株当たり純利益は67.4%増加。ここは純粋に傭船料の増加の影響が一番大きいと思ってます。

(考察)去年の2Qはコンテナ系もかなりの底値だったのでその時期と比べるのはあまり参考にならないかもしれません。

★2021年6月30日までの3ヶ月間の営業収益は1億4,640万ドル

★2020年6月30日までの3ヶ月間の営業収益は1億1,680万ドル

★25.3%増加

★2021年6月30日までの6ヶ月間の営業収益は2億7,850万ドル

★2020年6月30日までの6ヶ月間の営業収益は2億2,300万ドル

★24.9%増加

★2021年7月に買収されたジェミニ船を含む2021年6月30日時点の総契約営業収益は17億5,000万ドルで、チャーターは2028年まで延長され、残りの平均契約チャーター期間は3.4年で、契約チャーター雇用の総額が重み付けされました。

(考察)平均契約年数がそこそこ長いのでこのハーペックス海運指数が上がり傭船料が上がっている今更新できないのは痛いですが、ジェミニ船は今期の更新もいくつかあるのでそのあたりは期待できそうです。


★現在の営業収益に基づく今後12ヶ月間のチャーターカバレッジは92%、契約日の90%です。

(考察)今後1年以内に裏を返せば8%は契約更新があるって事ですね。少ない・・・

★2021年6月30日までの6ヶ月間に、ZIM紙幣とHMM紙幣の6,950万ドルの返済義務付け金に加えて、約1,000万ドルの利息を計上しました。さらに、2021年6月30日までの6ヶ月間に、200万ZIM普通株式を7,640万ドルの純収益で売却しました。

(考察)これは前回のガイダンスであった債券回収の事と6月頭にあったロックアップ中のZIM株式の売却の件ですね。

★ダナオスは、2021年8月30日に記録的な株主に支払われる2021年第2四半期の普通株式1株当たり0.50ドルの配当を宣言しました。

(考察)今期ももちろん配当アリです。

★"The containership market has maintained its positive momentum, which is reflected in increasing rates for both containers and vessel charters. Danaos is continuing to secure charters for its vessels for periods of between three and five years. It is noteworthy that some of these charters do not even begin until the middle of 2022. The market appears to be in short supply until at least the end of next year, and we have strong leverage to this dynamic.

★訳「コンテナ船市場は、コンテナと船舶のチャーターの両方の増加率に反映され、その前向きな勢いを維持しています。ダナオスは、3年から5年の間、船舶のチャーターを確保し続けています。これらのチャーターの一部は、2022年半ばまで始まっていないことは注目に値します。市場は少なくとも来年の終わりまで不足しているように見えますが、このダイナミックに強いレバレッジを持っています。

(考察)強い言葉をいただきました。2022年末ぐらいまでコンテナ船不足と記載があります。実際今年の新造船発注分は2023年以降に市場に出回りますので、今年去年は船不足になる可能性はかなりありますし、仕方ないという状況です。

★財政的には、ダナオスは非常に強い立場にあり、現金と有価証券は合計6億ドルを超え、平均3.4年間で17億5000万ドルのチャーターバックログが拡張され、非常に管理しやすい債務返済スケジュールが設定されています。また、非常に好調な市場状況を裏として、大幅なフリーキャッシュフローを生み出しています。これは、機会が現れたときにコアビジネスを成長させる能力と自信を与えてくれます。そのために、合弁会社であるジェミニの51%を買収し、事業体とその資産の完全な所有権を取得するオプションを行使しました。これにより、約1億6,000万ドルの契約収益と約1億1,700万ドルの契約EBITDAがバックログに追加されましたが、これらの船舶は今後12ヶ月間に3,100万ドルのEBITDAを拠出する見込みです。取引の発効日は2021年7月1日で、第3四半期に直ちに発生します。

(考察)財政的にもかなり健全です。キャッシュの部分はおそらく新造船に充てるのだろうと予想していますが、環境基準がはっきりと定まらないためこのあたりが明確になってからの発注と予想しています。そのため2023年までの間を市場にすぐに投入できる中古船でカバーするのでしょう。

★投資に対する利益1億9,630万ドルの投資益は、2021年1月27日にニューヨーク証券取引所への新規株式公開と上場を完了したZIMの株式保有権の公正価値の変化に関連しています。2021年6月にはZIMの普通株式を2,000,000株売却し、純収益は7,640万ドルとなりました。残りの普通株式8,186,950株は、その日のNYSEのZIM普通株式の終値に基づいて、2021年6月30日時点で3億6,780万ドルと公正評価されています。

(考察)ZIM株残り約800万株ありますね。

★我々は2億6000万ドルに達する総購入価格のために6つの5,500 TEU船舶を買収する契約を締結しました。これらの船舶は2021年8月から10月まで納入される予定です。

(考察)船が増えるよ。やったね。


追記

Earnings Callで気になった点(ほぼ決算発表で発表済みの内容多し)

★当社の収益加重チャーターカバレッジは、2021年は99%、2022年は81%で、2022年の契約収益は現在5億9,600万ドルです。

(考察)これをさらっと言っちゃうから次回決算とか通期決算とかほとんど丸裸でわかってしまう。健全なガラス張り経営w6隻の中古船買ったけど、あまりに古い船は買わない(おそらく環境基準の面で将来改良が必要になるため)大きい船が好き。

(考察)将来的にはやはり物量の関係で大型化しそう。スエズマックス、パナマックスはどうしても航路の基準上どうしようもないけど、東アジアー北米西海岸等影響ない所は大型化しそうです。私の考えですが、数年から数十年先で北極航路が運航可能になれば欧米ルートももっと大型化できそうです。実際日数もこちらの方が早いし。

★平均コンテナ船率が60週連続で増進しているが何が原因で終わる?2022年は船舶の大型化する?短期チャーターにする?→しないよ?私達は投機家ではないので長期的な収益を確保するために今まで通りの長期チャーターを行っていく

(考察)この利益が取れるタイミングで利益を取りにいかない。船の寿命はだいたい25年なので本当にこのタイミングで船を増やすと一時的に利益は伸びるがその後数年負債を背負う事になる。なのであせらずに経営をしていく。今年増やしたのは適正価格より安く手に入った中古船(すぐに投入可能)のみ。ただしこれも年数はたっていない格安の新古船が多い。


★まず株式の流動性を高めるために、非常に長い道のりを歩んできました。会社に全体的に非常に有益な$ 7の周りのレベルでの重要な株式の買い戻しをしましょう。(←このあたりのニュアンスがちょっと不明です)現時点では、それは間違いなくかなりの上向きがあります。一方、株式のトップの価格はNAVの問題ではなく、流動性と関係があります。だから、我々は外に出て株式を買うかもしれないが、流動性が下がり、流動性の欠如もまた、会社の長期的な価値と株式市場にアクセスする能力を作り出さないだろう。

(考察)株式の買い戻しを検討しているけど、市場の流動性が下がるのは長期的に見たらマイナスになりそう。なのでしばらくは買い戻しを行う予定はなさそう。ただしキャッシュフローは多めに用意できているので、やろうと思えばいつでも株式買い戻しには踏み切れると想像しています。

★配当に関しては、私たちが言ったように、はい、間違いなく配当の増加が起こります。しかし、私たちは四半期前に配当を開始したばかりで、これは第2四半期であり、配当を行っています。もちろん、来年からの増配を考えると真剣に取り組みます。

(考察)増配できるけど、前回配当復活したばかりだからちょっと待ってって話ですね。3Q4Qはそのままだけど、2022の1Qから雰囲気的に増配しそうな気配ですね。去年のガイダンスの際は2021年の1Qか2Qから配当復活させるって話だったので、私的には1Qから配当復活しただけで満足です。

★ZIM株のロックアップが1月後にあけるけどうするの?→今1020万株のうち200万株を出した。これはZIM株の流動性を上げるためである。流動性が高まる事により、残りの株にも利益をもたらす。

(考察)3Q内でのロックアップ解除後にZIM株の売却はなさそうです。おそらく今の海運業界を考えるとホールドしておく事の方がメリットが大きいという判断だと思います。今後の事を考えるとDACがまだZIMを保有している事はかなり好感触です。

★ZIM株を配当として株主に渡す可能性ある?→ない。Zim株式は明らかに非営業資産である。私たちは、お客様の株式を持っている持株会社ではありません。私たちが離脱するにつれて価値を最大化しようとします。そして、我々は艦隊を成長させる会社の最善の利益のためにこの資本を使用し、もちろん、我々はまた、他の資本を検討します。

(考察)ZIM株は将来的には売却を行い、別の最善の利益に変更すると書いている。色々と考えられるが、環境基準をクリアしたコンテナ船購入が一番可能性が高い。次はまさかのLNGとかバルクとか?経営者目線だとこれはおそらくないと思う。

★年末まで十分なフリーキャッシュフローがある。船を増やさない事で2023年、24年も対応できるようにしている。

(考察)ありだと思います。




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