見出し画像

愛しさを伝えるにはまだまだ早いか

菅井友香。欅坂、櫻坂46のキャプテンだ。
彼女がアイドルを卒業するまで、あと2週間ほど。
彼女のアイドルとして最後の舞台。櫻坂46としては初の東京ドーム。
送り出す形としてこの上ない。
7年間、グループもファンも支え続けてきてくれた菅井友香さんへの気持ちを、ここに少しだけ書いておくことにした。


菅井友香さんは、今まで出会ってきた人の中で一番幸せになって欲しいと思える人だ。
ファンも皆そう言っている。
だが、この発言はとても軽率だ。
幸せになって欲しいと思っている我々が、彼女を苦しめたからだ。
何度謝らせただろうか。もう数え切れない。
謝っている姿ばかり思い浮かんでくる。
申し訳なさと、ファンという立場である以上何も出来ないもどかしさに胸を締め付けられるような気持ちになった。
年に一度しかシングルが出ない状況がグループとして続いていった。
世間からの暗いイメージを払拭することも出来なかった。
そこで我々が声を荒らげても、それは余計に彼女を苦しめることになる。
自分には何も出来ないと分かっていたけど、黙り続けていることに罪悪感しかなかった。
キャプテンという立場だけでどうしてここまで全ての責任を彼女が背負わなきゃいけないのか。怒りの感情も芽生えた。
それでも、菅井友香さんは欅坂46であった自分を誇りに思っている。欅坂46を愛している。
ラストライブでのあの涙は忘れることが出来ない。
私には理解しきれない沢山の思いが詰まっていたあの涙。
唯一分かったのは、菅井友香さんが欅坂46として歩んできた5年間を本当に幸せだと思っていたことだった。
涙を流しながらも笑顔だった。その笑顔は作り笑顔ではない。色々な感情が溢れていたあの中でも、笑顔だった。
心の底からグループを愛してくれていたと分かったその瞬間、私も涙した。
私も笑顔で泣いていた。大好きなグループとの別れに喪失感でいっぱいだったあの日、欅坂46の光であった菅井友香さんの笑顔で、私の心は満たされた。
そして改名し、櫻坂46となってから菅井友香さんの笑顔が増えたような気がした。
ラストライブで最後は幸せに溢れた笑顔を見せてくれたが、やはり幸せな思い出だけではなかったはずだ。
そんな彼女が、何も気にせず笑顔でアイドルとして活動している姿を見て、改名にはしっかりと意味があったんだと感じることが出来た。
菅井友香さんが笑顔でいる時、周りも自然と笑顔になっていた。
菅井友香さんはグループの心臓だった。
それをきっと本人も理解していたのだろう。
だから彼女は改名も受け入れた。
常に自分のことよりもメンバーを優先し、そのメンバーに降りかかる心無い言葉を全て盾として守ってきた。
本当に感謝の気持ちでしかない。


ここまで長々と書いてきたが、菅井友香さんのアイドル姿を見ることが出来るのは東京ドームが最後だ。
これを読んでくれた人には是非足を運んで欲しい。
彼女が歩んできた7年間がその2日間に詰め込まれている。
一瞬足りとも見逃していい瞬間などない。
常にメンバーとグループのことを考えてきた彼女が、この場から旅立ってもグループとしてこれからも歩んでいけると決断した。
それだけ、今の櫻坂46は強い。自信を持って言える。
こうして、彼女とグループに対する愛しさを伝えるにはまだまだ早かったかもしれない。
でも今日は、よく晴れた日だった。
青空がいつもとは違った。
何故か伝えたくなってしまった。
それでもここでは『サヨナラ』は言わない。
別れのその日までは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?