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四つぶ小説始めました。

中庭に彼女を呼び出した。卒業前に告白する。緊張するわー。悪ぶってるけどすげー小心者なんだ。現れた彼女は50円玉をつきだした。「ごめんなさい。これで許して」俺は呆然と立ち尽くし彼女はバタバタと去っていく。なんかカツアゲと間違われたらしい。50円玉に涙がポトリ。哀しくないやい。俺は男だ。

50円玉にチェーンをつけた。惚れてたあの子に貰ったもの。一生もんの宝にするわ。首から下げて歩いてたら悪友にバカかと呆れられた。「そんな事より誤解を解け。このまんまでいいのかよ」「いいわけねーだろ。けどな、もうなあ、限界なんだよ!」昨日で勇気の全てを使い果たした。俺はもう燃えカスさ。

悪友が廊下で彼女に言う。「あいつアンタが好きなんだよ。バカだし怖い顔してっけどいい奴だから話聞いてやってよ」赤い顔で頷く彼女に物陰から俺はガッツポーズ。持つべきは友だ。放課後再び中庭へ。50円ネックレスに指で触れふぅと大きく深呼吸。逃げるな俺。踏ん張れ俺。友のフォローを無にするな。 https://t.co/FPVDqdK2Z0

「友達思いで優しくてああいう人が理想だったの」彼女は悪友に恋してた。「そっか…幸せにな」50円からチェーンを外し掌へ。門の前に奴がいた。「付き合わねーぜ。俺」「無理すんなよ」「ばーか。1度しか言わねーぞ。俺にはお前の方が大切なんだよ」落ちかけた太陽のせいだろう。互いの顔が赤いのは。 https://t.co/SY07njS6lo

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