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【バイト6&萌2選】恋をキリトル140字の物語 12

バイト
◇1

‪バイト仲間とロングドライブ。
くじで気になる彼の車に乗った。
でも何聞いても素っ気なくて泣きたくなる。
窓におでこをつけて溜息一つ。
早く到着しないかな。
車をおりると先輩がニコニコしながら彼に囁いた。
「どうだった?」
「…緊張した」
見れば耳の裏まで赤くなってる。
やっぱりこの人すごく可愛い。

◇2
‪ジーンズの裾を捲り上げ潮の引いた海で貝を探す君。
「ほれ、やるよ」
戦利品いっぱいのザルをつきだされ
屈託のない笑顔にドキッとした。
空の青さを映しだした
真昼の海はキラキラしてて
君の笑顔をいつも以上に輝かせてる。
君からの初めてのプレゼント、なんだか宝石みたいだね。
夏の恋は始まったばかり。

◇3
図書館バイト仲間で夜市に行った。ハットショップで向日葵柄の帽子を見つけ被ってみる。「似合うね。可愛い」先輩の言葉に頬が赤らむ。向日葵は貴方の誕生花で花言葉は「崇拝」っていうんだよ。秘密の言葉を飲み込みながら帽子を棚に戻す私。キーホルダーの鈴の音にまでときめく恋する乙女の向日葵娘。

◇4
立ちっぱなしの男子に
「変わりましょうか」
と声をかけたら
「僕に気があるの?」
と返された。
「俺も言われた。てことは俺に惚れてる?」
「僕も?」
たちまち囲まれて顔真っ赤。
「照れてますね」
「反応が可愛い」
「やめられませんねー」
皆でなぜかガッツポーズ。
変なの。もうっ。
君達ずっと立ってなさい!

◇5
‪「お前な、接客中も周囲に目を配れ。目の前のことしか見てないから失敗すんだよ」
チーフの毒舌に肩を落とす。
そりゃ私が悪かったけど
それでも言い方あるでしょうが。
「いつか最高の女になって見返してやる!」
私のゲキに親友が尋ねる。
「ちょい待ち。なんで女を磨くの?」
そんなの勿論好きだからだよ。

◇6
冴えない地味男君にライブチケットをもらったので行ってみたらツンツン頭の彼がシャウトして女子の熱い視線を浴びていた。「どっちが本当の君なの?」学校で聞くと君は、はにかんだ笑顔。「なんで笑うの?」「ごめん。朝倉さんが僕に関心持ってくれてるのが嬉しくて」変なの。ますます君がわからない。

BL
◇1

彼女が出来そうと奴が言う。
デレてる顔に本音がポロリ。
「羨ましいな」
奴はキョトンとした顔で
「お前だったらその気になったらすぐだろ」
あっさりそう言いやがった。
そんな簡単じゃねえんですよ。
羨ましいのはお前じゃなくて
お前を射止めた彼女なんです。
いじけ男の振りをして
胸の痛みをやりすごす俺。

◇2
軽音部の部室で先輩に
「竹下さん今度デートしよ」
って言われた。
「お前なこの子は俺が目をつけてんだよ」
「ヒロ兄と喧嘩する時がきましたねー」
「お、やるか?」
って、ファイティングポーズ。
知ってるんだ。
私を口説いてるふりをして
いつも2人でじゃれあってること。
BL脳ピピピ。
こういうの、大好き。


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