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私というサンドバッグを失った毒親家の末路

「おまえみたいなみっともないヤツはいらない」
「おまえのせいで家庭内がギスギスする」
「おまえのせいで金がない。好きなことができない」
「おまえは冷血だ。人じゃない」

そう、我が家における家族不和の原因は全てワタシ!
そうです、きりんちゃんが家をずっと滅茶苦茶にしていると父は言うのです!

ならば、ですよ。
私がいなくなった我が家からは、不和が消え去るはず。
家族がギスギスする原因たる私がいなくなって、さぞかし素晴らしい家族になったと思うでしょ?

結論から言えば、ノーです。

私というサンドバッグを失った我が家は、すさまじく荒れ出したのである。

生け贄チェンジ

大学進学に伴い、私はいなくなった。
すると「家族不和の原因」たる私がいないのだから、父はニコニコ、毎日機嫌良く過ごせるようになるはずでしょう。
私とて家族に未練はないし、母と弟の三人で仲良くやっていればいいと考えていました。

ところがどっこい!
これまで私ひとりへ向かっていた暴言が、母と弟に向かいだしたんです。
この父親、基本的に誰かを虐げていないと自分のプライドが保てないみたいですね……。

私が家を出てから、家族と接触した回数など片手で数えられる程度ですが、彼らの話をまとめると、

「父に殴られて奥歯が折れインプラント」
「父の暴力がすさまじく、警察を何度も呼んだ」
「弟を馬乗りで殴りまくり」
「家具大破壊」
「窓ガラス破壊」

とのことでした。冗談抜きでただの犯罪者だよね、私の父。
家の中で大乱闘だぞ。
でも正直なところ――……

「はあ??? それがどうした???」

と私は思いましたね。父の暴力・暴言に晒される母と弟からすれば、どうにか私から同情を引きたかったのでしょうが、こちらとら18年間家族のサンドバッグ、エスケープ先にされてきたのですよ。
特に弟に関しては「ざまあみろ」と思いましたね。
私の陰に隠れて好き放題やっていたツケが全て爆発した感じです。
同情心のかけらもわきませんでした。
人でなしと言われても構いません。

私の感覚で言えば、私が18年いた生け贄なぶり殺しショーに、次は観客としていた弟が上がっただけ。
そして母も巻き込まれた。
それだけのことだった。

かわいそうとは思えませんでした。
「そりゃそうでしょ」って感じですね、どちらかと言えば。
私にあれほど気の狂った暴言、私のありもしない欠点をあげつらい、人をけなし続けるという狂気を18年間保ち続けた父ですからね。
忍耐力がおそろしくあった私だからこそ耐え抜けたようなもので、普通なら持たないし、持たなくても良いレベルです。

あまりの暴言、侮辱に金属バットでぶん殴ってやろうかと思ったことが数限りなくあるので。

ちなみに私は殴られたことはない。
それが「父の愛情」らしいが、あの、これで愛情とか言われても……ですよね……。

そんなん当たり前ですよ。
殴られるようなことをした覚えなど、ひとつもないのだから。

弟との格差

別記事で描くが、弟の溺愛たるものや、相当なものでした。
弟が言えば、大抵何でも買ってもらえていました。
不公平を感じて私がおかしいと言えば、母は「弟はアンタと違って何もできないの」「教育費かかってないの」「これ買わないといじめられるのよ、話題について行けないから」と言って弟に次々と物を買い与えていました。
ちなみに弟の成績は小中高とオール1、テストは0点から30点と散々たるものでした。
また生活態度もいいとは言えません。

が、弟は「できない子ほど可愛い」の体現者でした。

弟が頼みさえすれば、私がどれほどねだっても、頑張っても買ってもらえなかったゲーム機も、次々とです。何でも新品が買い与えられ、私が学校で必要だから買って欲しいと頼んでも(彫刻刀やら画材やら)、まず両親のお下がりから渡される私はますます惨めな気持ちになっていきました。

どうやら、母の中では、私が「何でもできるから」「教育費がかかるから」「話題について行けなくてもいい」と思われていたようです。
奇妙な理屈をこねる親だとつくづく思いました。

教育費については、これまで何度返せ返せと両親から吠えられたか……

そのため、弟のことは嫌いと言うよりも、無関心ですね。
生きていようが死んでいようがどうでもいいという感じ。
遺産相続のとき、もう一人いるな、くらいの感覚です。

維持する価値などない家族

この父の暴れっぷりには、早々にふたりは参ったらしく、幾度となく哀れっぽいメール、「早くきりん帰ってきて」というメールが来ていました。

「ハァ? 誰が帰るかこんな家!」

でしたね。
本当に意味不明ですよ。
その環境をどうにかしたいのなら、警察を呼ぶなり、離婚するなり、別居するなり色々あります。
私に頼ってどうにかなるレベルを遙かに超えています。
当時からそう思っていたし、今も私はそう思っていますよ。

なぜ私を呼び戻して、再度自分たちの安全を取り戻そうというのか。
なぜ「きりんちゃんならやってくれる」となるのか。
なぜ「私を犠牲にする」ことを求めるのか。

私からすると、こんな家族、維持する価値など――、全くありません。
コストに見合わなさすぎる。
維持したければ自分たちでやってくれ、ですね。

恨み言ラッシュ

私が頑として戻ってこないと、メールは次に罵倒に代わっていきました。

「おまえだけしあわせ むかつく」
「父はあんたがいないと機嫌が悪い! どうにかしろ!」

18年ひとりで受けとめてきた私に、何を言っているんだか……。
私ひとりで左右される機嫌とか、おかしいでしょ。
いつまで人を貶めていれば気が済むのか……。
それは父が解決すべきタスクであって、私が解決すべきタスクではありません。
この辺りが区別ついていない辺りが実に毒親という感じがします。


ちなみに、母曰く「父は反省している」とのことで、だから「帰省しろ! 顔を見せろ」と言いますが……
父から直接謝罪されたことなどこれまで一度たりともありません。
自分で謝れない人が反省しているとなぜ受け止められるのか、私には全然分かりません。

私は正直、葬式にすら顔を出したくないので。
そのくらい家族との精神的断絶を感じています。


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