おんざまゆげに憧れて
学生の頃、前髪はいつも短かった。
短いほどかわいいと勘違いしていたのもある。
木村カエラちゃんのようなかわいい前髪になりたくて、いつも自分でカットしていたがかわいくなれなかった。
木村カエラちゃんのようにかわいくなれなかったのは、ほかならぬ土台である顔面に問題があるのは理解していたが、当時は気づかなかった髪自体にも原因があった。
私の前髪は短く切れば切るほど浮いてしまう。
生え方に原因があった。
私の前髪は上方向に生えているので短く切ると浮いてしまう。
理想の前髪はピタッとおでこに接触している状態。
私の前髪の生え方だとカッパの頭のようになってしまう。
ワックスをつけようが水で濡らそうが、前髪が力強く重力に逆らってしまい、浮いてしまうのだ。
どんな手を使っても木村カエラちゃんのように、かわいいおんざまゆげになれやしない。
もういい年なので、おんざまゆげにしたいと思わないが当時は自分の前髪の生え方が憎くてしょうがなかった。
どうあがいても、かわいい前髪になれなかったから。
どうあがいても、カッパの頭にしかならなかったから。
今ではそんな前髪を初めて伸ばしている。
クールで知的かつ大人っぽい女性に見えていることだろう。
金八先生みたい、だなんて言わせない。
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