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給食着が恥ずかしい

誰もが一度は通る道、給食係。

当番の週は、給食着を着て、みんなで列となり厨房へ移動する。

週明けの月曜日に給食着を忘れてしまった子は、仕方なく私服の格好のまま係の仕事をしなければならない。

みんな白い格好なのに一人だけ私服というのも、それはそれで恥ずかしい。

厨房に到着すると、役割になったおかず類や食器を持ちだし、再び教室へ戻る。

食器係や主食のパンやご飯を運ぶ係は、教室に運んでくるまでが仕事なのでそこで役割は終わり。

おかず係になった子は、食缶内のおかずを食器につぎわけ、みんなに配っていく。

みんなに給食が配られるまで給食着を身にまとい、最後まで役割を果たさなければならない。

ただでさえ、給食着を着るのだけでも恥ずかしいのに。

恥ずかしい要因は、給食帽にある。

髪の毛が帽子からはみでないように、しっかりと帽子の中におさめなければならない。

髪の毛がきっちり帽子におさめられた頭部をクラスメイトにさらすのがとても恥ずかしい。

水泳帽子も同じような感覚だ。

おかず係にならなければ、さっさと給食着を脱ぎ捨てることができるが、おかず係になってしまった日には、きっちりと帽子をかぶり続けたまま任務を遂行しなければならない。

髪の毛を食缶内や食器内に混入させてしまっては、おかず係失格。

そういったプレッシャーを背負いながら、クラスメイトのおかずを均等につぎ分けていかなければならない。

つぎかたが下手くそで食缶内のおかずが足りなくなったら、すでに配られている子たちのおかずから少量ずつかき集めなければならない。

もしくは、そのおかずが嫌いな子にごっそり頂戴するか。

その際は、先生に見られないよう注意を払わなければならない。

そうなってしまっては、給食着を身にまとっている時間がどんどん長くなってしまう。

そうならないためにも、最初の方はやや少ないかな、と思うくらいでつぎわけ、みんなの分を配り終えたあとに、余った分をつぎ足していくという手法がいい。

みんなの分のおかずが無事配られたら任務終了。

このように、日々試行と分析を繰り返し、一秒でも早く給食着を脱ぐためにたえまない努力をしていたのだ。


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