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【鬼滅の刃】竈門炭治郎と半沢直樹に見る主人公としての共通点

どうも、きりんです。

鬼滅の刃、色々なところで流行っていますね。

ところで、2013年に最終回視聴率が40%台を記録した、平成最大の怪物ドラマ「半沢直樹」を皆さん覚えているでしょうか?

売れる作品には法則があります。

というわけで今日は、半沢直樹と「鬼滅の刃」の主人公である竈門炭治郎の、意外な共通点から、主人公キャラの魅力の引き出し方について考察したいと思います。

竈門炭治郎ってどんな主人公?

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(鬼滅の刃 Blu-ray1巻表紙より)


2019年『オリコン年間コミックランキング 2019「作品別」』でワンピースを抜いて1位に輝き、11年連続1位だったワンピースを抜く快挙を達成した、週刊少年ジャンプの看板漫画と言える作品です。

時代は大正時代。炭焼きをして家族の暮らしを支えていた主人公の炭治郎が家を留守にしていた際に、鬼の襲撃に遭い一家は惨殺され、唯一生き残った妹の禰󠄀豆子は鬼にされてしまいます。

妹を人間に戻す手がかりを得るため、炭治郎は鬼と戦う「鬼狩り」の部隊へと入隊し、人間を襲う鬼たちとの過酷な戦いを繰り広げるのでした……というお話です。

平成最大の怪物ドラマ「半沢直樹」ってどんな話?

はんざわ

(半沢直樹 公式サイトより)

「半沢直樹」は、TBSで2013年に放映されたドラマです。最終回の瞬間最高視聴率は46.7%を記録し、夜の9:00~10:19時台のドラマ視聴率ではじめて平均40%を超えた快作です。

主人公・半沢直樹が銀行内の派閥争いや不正融資という黒い闇に巻き込まれながらも、やがて銀行のトップに立つためにのし上がっていく、1人の銀行マンの生き様を描いたドラマです。

「倍返しだ!」のセリフは覚えている人も多いのではないでしょうか?

2020年に新シリーズが開幕するということで、こちらも非常に楽しみ。

テレビでは半沢直樹役の堺雅人さんしか見ないような時期もありましたね。


そんな魅力溢れる竈門炭治郎と半沢直樹は、視聴者・読者から好感度が非常に高い主人公です。

この2人の人物の共通点から、主人公に必要な魅力について迫っていきたいと思います。

共通点① 動機は”復讐”

好感度が高く、清廉潔白なイメージのある2人ですが、意外なことにその動機は2人とも「復讐」です。

鬼舞辻無惨

(鬼滅の刃 9巻より)

炭治郎は、鬼によって家族を皆殺しにされました。その犯人である鬼舞辻無惨に対し、深い憎しみと怒りを抱えています。

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(半沢直樹 1話より)

一方、半沢直樹は子どもの頃、父親の工場経営が傾いたときに銀行に融資を引き上げられ、それがきっかけで父親が自殺してしまいました。そのことによって、彼も銀行の在り方をよく思っておらず、それを内部から変えることが目的です。


「家族を殺され、そのことがきっかけに復讐を志す」というのが2人の共通点ですが、2人がクリーンに見えるのは、

炭治郎は妹を人間に戻す
半沢は銀行を内部から正す

という、プラスのベクトルの動機に向かっていることが要因だと思います。

重い過去を持ちながら、彼らの行動はマイナスではなくプラス方向に向いているのです。

・家族を殺されたという深い悲しみと怒りが、彼らの行動原理として読者の同情や共感を集め、その目的のクリーンさが人間的な憧れを抱かせる

のが、2人の魅力の一つだと思います。

共通点② 理不尽な上司への反撃

炭治郎の所属する”鬼殺隊”には柱と呼ばれるトップの人達がいます。

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(鬼滅の刃 6巻より)


最終話近い今でこそ、彼らは炭治郎を認めて接していますが、初登場時は理不尽そのものでした。炭治郎は鬼との戦いで傷ついた体のまま柱のところに連れて行かれ、目の前で妹を刀で刺されるのを見せられるという目に遭います。

その後も、柱のファーストコンタクトはだいたいひどいものでした。階級が下である炭治郎を戦力としてはカウントせず、雑に扱います。(唯一、煉獄だけは炭治郎にも敬意を持って接していました)


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(半沢直樹 3話より)


一方の半沢の上司は、鬼殺隊以上に最悪です。自分のミスを半沢にすべて責任を被せて辞めさせようとしたり、内部調査の際に不正を働いて追い込もうとしたり。

そんな上司に最終的に「倍返し」を食らわせ、爽快感を視聴者に与えるのが半沢の人気でもありました。

一方、炭治郎もひたむきに頑張ることで最終的には柱に認められ、ともに肩を並べて戦うことになります。

報復と認めさせるという違いはあるものの、理不尽な上司に意趣返しする、という共通点が2人にはあるのです。

世の中には、理不尽な上司や取引先、自分をどうしても認めない上司もいるでしょう。そんな上司に対して毅然と立ち向かう2人の姿が、読者と視聴者の共感を呼び、魅力的に映るのかもしれません。

この共感性と爽快感、承認欲求を満たすというのが、半沢と炭治郎の共通点と言っても良いでしょう。

共通点③ 頼りになる同期

メンタルにおいて屈強な炭治郎と半沢ですが、彼らも人間です。自分一人ではどうにもならないような状況に陥ることもあります。

そんな時に、主人公を助けてくれるのが心強い同期。

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(鬼滅の刃25話より)

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(半沢直樹 10話より)

主人公は、1人でがんばることの大切さと同時に、1人で戦うことの限界を知っています。ときに助け、助けられる仲間がいます。

仲間を大切にし、だからこそ仲間に慕われる姿も、主人公として共通する魅力と言えるでしょう。

共通点④ 決して諦めない姿勢

炭治郎は鬼との戦い、半沢は上司との戦いにおいて、圧倒的な窮地に陥ることがあります。

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(鬼滅の刃3巻より)

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(半沢直樹 4話より)


それでも彼らは決して折れない、曲がらない、自らを変えることはない。

彼らの壮絶な過去から来る強い動機とキャラクターがそうさせているからです。

普通の主人公なら葛藤して悩みそうな場面でもためらいなく「頑張る」ことを選択してしまいます。

普通の人なら諦めてしまう場所でも踏ん張り、そしてなんとかしてしまう。そこに普通のキャラクターにはない魅力があるのかもしれません。

壮絶な過去と曲がらないアイデンティティ

壮絶な過去が読者の共感と同情を呼び、

決して曲がらないアイデンティティとクリーンな動機が憧れを抱かせ、

いざ結果につながったときの爽快感を味わわせてくれます。

彼らに共通する最大の要因、それは


「視ている人の期待以上に応える」


ということではないでしょうか?

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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