【SLAM DUNKの田岡と安西】監督のマネジメントから陵南がなぜ湘北に負けたのかを考察してみた
どうも、きりんです。
突然ですが、私はSLAM DANKが好きです。
SLAM DANK1巻より
どのぐらい好きかというと、SLAM DANKを読んでバスケットを小中の6年間やってました。
アニメのバッシュ(バスケットシューズ)の「キュッ、キュッ」音を再現しようとしてやたらとバッシュを濡らしたりとかね。もう小中学校で何度読み返したかわからない。
そんな私も大人になると、スラムダンクの読み方が若干変わってきたことに気づいたんですよね。久々に実家に帰ったら、選手がかっこいいのはもちろんですが、スラムダンクに出てくる大人たちの方にも目が向くわけです。
安西先生
田岡監督
海南の高頭監督
豊玉の北野監督
とか色々です。
そんなスラムダンクの中でも名勝負といえば、やはり湘北vs陵南の因縁の2戦目。
安西先生不在という不安要素を抱える中、何が両チームの明暗をわけたのかを、それぞれの監督のやり方などから考察していきたいと思います。
「安西光義」湘北高校
※スラムダンク2巻より 安西先生初登場
主人公・桜木花道のいる湘北高校の監督。
「白髪仏」(ホワイトヘアーブッダ)と呼ばれるほど穏やかな性格で、マイペース。元々は全日本代表選手。
たまにしか部活に来なかったらしいですが、桜木・流川の加入後は積極的に部活を覗きにくるようになります。宮城・三井は少なくとも安西先生が目当てで湘北に入学した模様。
選手達からはかなり親しまれているようです。
安西監督の育成は「選手の自主性に任せる」
基本的に安西先生の指導方法は選手の自主性をとても尊重しています。練習にはあまり口出すことはほとんどしません。
昔はガッチガチの選手をコマのように扱うスタイルで、練習の厳しさから「白髪鬼」(ホワイトヘアーデビル)なんて呼ばれていた過去がありましたが、有望選手だった矢沢くんが自分の元を去り、海外で亡くなってしまったことに責任を感じ、指導法を変えました。
※ スラムダンク22巻より
「バスケを楽しむ」「強くなる」といったチームのスタイルまで、選手に任せているっぽいです。そのせいで桜木・流川が入るまでの2年間、湘北は県大会予選を初戦敗退するような弱小チームでした。
しかし、選手が勝ちを目指すのならばそのために何ができるのかを考え、力になるのが安西スタイル。
※スラムダンク22巻より
※スラムダンク15巻より
特に桜木の成長には何役も買っている。
たった3カ月で桜木が県内屈指の選手に成長したのも、安西先生の指導があってこそ。
ていうか、桜木はたぶん他の監督だったらバスケ部1日と持たず暴力事件とかで辞めてた気がします。そういう意味でも安西先生の功績は大きい。
普段の練習トレーニングなどは赤木や綾子、木暮が考えてるっぽいですが、試合中は特に安西先生の作戦や、選手に与える影響力がとこどろころで描写されています。
特に、選手のモチベーション管理にはかなり気を遣ってるし、
※スラムダンク11巻より
選手が感情的になってるときは、きちんと注意もする模様。
※スラムダンク24巻より
安西先生を一言で言うと、
選手のやる気とポテンシャルを引き出す「モチベーション管理の達人」とも言うべき指導方法。
湘北の問題児軍団も、安西先生だからこそついていったんだろうな、というのが読み返してみるとすごくよくわかります。
「田岡茂一」陵南高校
※スラムダンク21巻より
主人公の所属する湘北高校最大のライバルだった陵南高校。そのバスケ部の監督です。外見だけ見ると、ほんまどこにでもいそうなただのおっさん。。
子どもの頃は、流川かっこいい!三井わかるわ~、と選手に感情移入するのがほとんどでしたが……
大人になってからスラムダンクを読むと、この田岡監督が本当にかっこいい!!!
ただ「でかいだけ」と言われてバカにされ、バスケ部をやめようとしていた魚住にかけた言葉は、子どもの頃はとくになんとも思いませんでしたが、大人になって「できないこと」が増えていくほど、心に染みてきます。
「でかいだけ?結構じゃないか。体力や技術を身につけさすことはできる・・・だが・・・お前をでかくすることはできない。例え俺がどんな名コーチでもだ」
こんなことを言ってくれる指導者がいたら最高ですよね。
そんな田岡の指導は「選手ごとに分けて指導する、いわば1on1ミーティングにも近い手法」
※スラムダンク15巻より
選手ごとに細かく指導方法を管理しているような描写が、ところどころからうかがえます。(福田に関してはこれで失敗して、無期限部活動停止処分を福田が受けてしまうんですが・・・)
頭の固いおっさんかと思いきや、仙道をいきなりポイントガードに抜擢したりと、選手の適性を的確に見抜いて柔軟な作戦も組み立てられる人です。
選手のことを、とにかくよく見ている。
そして、結果じゃなくて過程を重んじるタイプということが、スラムダンクを読んでいるとよくわかります。
※スラムダンク19巻より
あれだけ口うるさくガミガミ言っていたのが、魚住を4ファウルでベンチに引っ込めたときは、魚住に「我慢だ」という言葉をかけ続けます。
それは、自分のふがいなさに1番憤りを感じているのが魚住自身だとわかっているから、そして湘北に勝つために魚住の力が必要だと感じているからなんですよね。
海南戦の前にも、皆に練習を思い出させて「自分達の練習量を信じろ」というような言葉をかけます。
……ですが
※スラムダンク21巻より
過程を重んじるからこそ、これまでずっとベンチで出番のなかった木暮と、バスケ経験3カ月という桜木を低く評価してしまい、それが要因となって湘北に負けてしまうんですよね。
一方、選手の自主性を尊重した湘北は、ベンチに安西不在という不安を抱えながらも、選手自らが考えてプレイすることを普段から教えてきた。
この違いが、陵南と湘北の明暗を分けた気がします。
結果だけ見れば、田岡の欠点を晒してしまったことになります。ですが、田岡のこの「過程を重んじる指導方法」は陵南の選手達にも信頼されていますし、何より……
※スラムダンク21巻より
自分自身が敗因だと、監督として責任を負うことができる田岡が、今ではすっかりお気に入りのキャラになってしまっています。
こんなおっさんがいたら、毎月飲みに誘って色々話したい。
他の指導者の話はまたいずれ。
以上、スラムダンクマニアのきりんがお送りしました。
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