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【きりん式文章力上達術】1日10分で3カ月後に別人のような文章を書ける方法について

おはきりんです。はじめての人ははじめまして。ゲームシナリオライター歴10年、青井きりんと申します。

直近では、某アイドルソーシャルゲームのキャラクターシナリオなどを手がけています。(名前は出せませんが…)小説賞の審査員なども経験がありますので、その辺の知識やノウハウを提供していければと思って筆をとっております。

出せるとしたら

このような作品とか

このような作品とか

が代表作としては出せるんじゃないでしょうか。最近はSEO記事などの執筆をしております。

さて、自己紹介はこのぐらいにして本題。

まず、文章力とは何か

文章力とは、物書きにとって「基礎」であり「奥義」です。

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(HUNTER×HUNTER 9巻より)

念能力で言えば「四大行」みたいなものですね。

どんなに凡庸な物語であっても文章力が高い人が書けば面白くなりますし、

逆にどんなに面白いアイディアでも、文章力がない人が書けば死にます。

文章力というのは、かみ砕くと次のようなことなんです。

・必要な描写を具体的に書く能力
・無駄な描写を極力省く能力
・ボキャブラリーの広さ

じゃあ、実際に文章力の低い文章を書いてみましょう。

ドアを開けると、部屋の中に殺人鬼がいた。
手には包丁を持っていて、靴ははいたままだ。
殺人鬼はにやりと笑い、僕の方へ向かって進んできた。

はい。

全然リアルじゃないですよね。

緊迫感もない。

これは必要な描写がない上に無駄な描写も多く、ボキャブラリーもないから。つまり最低な文章です。

文章レベルをあげると次のようになります。

ドアを開けて暗い部屋の中に入ると、知らない男が立っていた。
男の足下には人が倒れていた。床は赤褐色の液体が、倒れた人を中心に波紋状に広がっている。
鉄の臭いが鼻腔を刺し、それが大量の血液だと理解するのに時間はかからなかった。
知らない男は血の付いた包丁の先端を僕の方に向け、にやりと笑う。
——例の、殺人鬼だ。
僕が気づくと同時に、男はまっすぐに僕の方に向かってくる。

どうでしょうか。
同じシーンでも全然違いますよね。この文章が、たった3カ月の訓練でここまで違いが出るとしたらどうでしょうか?魅力的じゃありませんか?

というわけで、魅力的に感じる人はこれから紹介する方法を3カ月続けてみてください。

そしたら文章は格段に変わってくると思います。

実際にプロの方もよくやっている練習方法ですので、ちゃんとやれば効果は保証します。

それでは紹介していきましょう。

①2冊の本を用意する

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まず2冊の本を用意してください。
どんな本でも良いわけではありません。次の条件に当てはまるものをそれぞれ選んでください。

<1冊目>自分にとって「理想の文章」を書いている作家さんの本
<2冊目>自分が「文章力が高い」と思う作家さんの本

電子書籍でも実際の本でも良いですが、大きなディスプレイがない人は本を買いましょう。その理由は次で説明します。

漫画じゃダメです。エッセイもダメ。できれば小説。それも自分が書いているジャンルと同じモノが望ましい。

②それぞれの本を1日10分間、全力で書き写す

はい。
文章力が上達する方法は「模写」です。
絵も同じ。文章も同じです。
上手い人の真似をする。それが1番の近道です。

模写をするから、スマホの画面とかはやめた方がいいんですよね。模写はテキストで構いません。本が小さいと文字も小さくて見づらいので、本の方が良いとオススメした次第です。


「やったことある」という人もいるでしょう。
でも上達しなかったとしたら、それはやり方が違います。

2冊の本を用意してもらったのには理由があります。
それぞれ別の部分に注意して模写をするからです。


<1冊目>自分にとって「理想の文章」を書いている作家さんの本

模写をするといっても、ただなんとなく文章を写しているだけでは意味がありません。

1冊目の本を模写するときは、次の点に注目しながら模写してみてください。

・比喩・暗喩表現の使い方
・好きな文章を見つけたら「なぜ好きか」を考える
・自分ならこの描写をどう書くかを常に考える
・今の自分では「出てこない描写」を特に注目する

つまりは比較です。
できたら1週間に1度で良いので、その小説の同じシーンを、今度は模写をせずに自分で書いてみてください。
何が違うのか、自分に何が足りていないのかがわかってくるはずです。

そこを徹底的に洗い出し、メモしていきます。
そして自分が今度はオリジナルの文章を書くときに、そのメモを見ながら気をつけるべき点を注意しながら書くようにします。

これで何が身につくかというと、「描写の取捨選択の能力」

必要な描写をより具体的に書き、

不要な描写を省く能力が身につきます。


<2冊目>自分が「文章力が高い」と思う作家さんの本

こちらは「ボキャブラリー」を広くするために行います。

文章力の大きな違いはボキャブラリーです。

例えば、「見る」という文字。

確める ・ みる ・ 見極める ・ 見定める ・ 見とどける ・  確認する・見守る・探す・照らし合わせる・読み合わせる・調べる・拝見する

似たような言葉がいくつ思い浮かびますか?

下手な文章というのは、ボキャブラリーが貧弱なため何回も同じ単語を選択してしまいます。

短い文なら良いですが、長文だとボロが出やすく、見ている人も「前に見た描写だ」と飽きます。

また、「男を見た」でも「男を観察した」「男を一瞥した」では、読者が想像する幅も違ってきます。

ボキャブラリーを広くするために、「自分にとって文章力が高いと思う作家さんの本」を写経しましょう。

ここでやることは1つ。

わからない単語を見つけたら、ひたすら調べる、メモる。

それを自分の文章に実際に使う、です。


この2冊の本の模写を、1日交代で10分間、3カ月続けてみてください。

③実際に書いてみる

模写だけじゃダメです。

実際に自分の作品を書いてみてください。

最初はボロボロかもしれません。ひょっとしたら模写している文章と似すぎてしまうかもしれません。しかし、それは成長の過程と考えましょう。

3カ月ぐらいにわたって続けていると、着実に変わってきます。

力がついている証拠です。


ちなみに、私の場合は1冊目の「自分にとって「理想の文章」を書いている作家さんの本」として

奈須きのこ氏の「空の境界」を選びました。


2冊目「自分が「文章力が高い」と思う作家さんの本」としては、

小野不由美先生の「屍鬼」を選びました。

最初の1文目から「村は死によって包囲されている」ですからね。(今でも覚えてる)

めちゃくちゃレベルが高い。

私は半年ほど継続しました。

もちろん、1日の時間を増やせば増やすほど成長は早くなります。

10分は最低単位ですね。それ以下だとあんまり効果を実感できないかも。

以上です。ぜひお試しあれ。

きりんがお送りしました。

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